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【国際親善試合】2026W杯に向けて競合ドイツを相手に森保ジャパンが快勝!

2023年9月13日 |

国際親善試合
ドイツ代表(15位) 1-4 日本代表(20位) @フォルクスワーゲン・アレーナ(ヴォルフスブルグ)
2023/9/9 20:45(日本時間 9/10 3:45)キックオフ NHK
ドイツ:レロイ サネ 19
日本:伊東純也 11/上田綺世 22/浅野拓磨 90/田中碧 92

森保監督率いる日本代表がドイツに勝利! 昨年11月に行われたワールドカップカタール2022のグループステージでも、リードされた後半に逆転して1−2でドイツを下した日本代表だが、このほど行われた国際親善試合では1−4の快勝で強さを見せつけた。

戦いの場はフォルクスワーゲン・アレーナ。2011年女子ワールドカップで優勝したなでしこジャパンが、準々決勝でドイツに勝利した縁起良い会場でもある。だがアウェイの地であり、今年に入って1勝3敗1分と調子を落としているドイツはここで盛り返したいところ。スタメンにはワールドカップ2022の日本戦と同じメンバーを7人配する4-2-3-1のフォーメーションを組んできた。

対する日本は、ワールドカップ2022ドイツ戦のメンバーは板倉滉、遠藤航、伊東純也、鎌田大地の4人。ここにワールドカップでは切り札的な存在だった三笘薫を左ウイングに配する4-2-3-1のフォーメーションを組んだ、楽しみな戦いとなった。

キックオフから前線を高く設定してプレスをかける日本。だがドイツは日本エリアに切り込み、序盤は日本エリアでの攻防が続く。立ち上がり早々にゴール右前でセットプレー、さらにCKと攻め続けるドイツ。対して両ワイドの選手も下がって守りを固める日本。この辺り、両ウイングに攻撃的な選手がいるフォーメーションなのだから、DF一人一人が広く守れるように4バックの守備陣が主導をとって、攻撃的ウイングを広く活かしていくことがW杯への課題になるだろう。

すると前半11分、その三笘がドリブルで切り込み、相手DFにクリアされるもセカンドボールを冨安がワンタッチで鎌田へ。ここで鎌田が相手を引きつけ右サイドの菅原へパスすると、菅原が鋭く低いクロスをゴール前へ。このボールをニアサイドにいた伊東が右足を伸ばしてゴール。攻撃陣が機能して日本が先制点を決める。

日本は4-4-2の陣形を取り、高い位置にラインを上げるも、中軸と後ろの守りを固める。ドイツは中央を突破できずサイドから攻めるが、前半戦中盤は日本が主導権を握る形が続く。だが前半18分。ドイツがこの試合初めて日本のラインの背中を通し、ボールをペナルティエリア前へ。ここにヴィルツが入り、バイタルエリアにいたサネにボールをパスしてゴールネットを揺らしドイツが同点に追いつく。三笘も戻ってきていたが、ヴィルツの入りが素晴らしく、一瞬の隙を逃さないドイツならではのゴールだった。

だが日本はここで素早く攻守を切り替える。三笘がドリブルで二人を交わしゴール前に攻めるが守田はゴールならず。だがその後、冨安が右サイドの伊東にボールを上げ、そのボールを大外から駆け込んだ菅原が低く鋭いクロス。これをニアにいた伊東が合わせて弾道を変えると、ゴール前で上田がベストタイミングで左足を合わせてゴール。上田綺世のストライカーとしての能力が押し込んだゴールで日本が再びリードする。

この後も日本は森保監督が積み上げてきた良い形を見せ、選手個々が自らの役割を全うして攻守に躍動。前半戦終盤、ドイツは最終ラインを3枚にして中盤と前線に選手を集める攻撃を見せるも、日本が主導権を渡さず前半戦終了する。

後半戦、リードしている日本はワールドカップに向けた様々な形を試みる。序盤には最終ラインに5枚を並べる5-4-1の布陣。森保監督がワールドカップで1対1の局面をはっきりさせたいと語っていた5バックだ。この辺り、世界を取りに行くという森保監督の思いを強く感じる。

そして後半13分、日本は鎌田に変えて谷口、上田に変えて浅野を投入。布陣を3バック+2ワイドに変えた。対するドイツもジャンに変えてグロス、シュロッターベックに変えてゴセンスを投入。布陣は4バックのまま日本サイドを攻めるドイツだが、中軸4枚、最終ライン5枚の日本の守りを破れない。対する日本は後半24分に1トップの浅野が驚異的な運動量で抜け出しカウンター。キーパーと1対1になるもシュートはファインセーブされ、さらにこぼれ球を狙った三笘がシュートを撃つもドイツのGKシュテーゲンが阻止。得点には至らないが日本が森保監督の思い描く形で試合を進める。

そのまま攻めるドイツ、最終ラインを固めて守る日本の流れが続くが、日本は後半途中で久保と堂安を投入して隙あれば攻撃の機会を狙っていた。そして終了間際の後半45分、ドイツの最終ライン、ゴセンスから久保がボールを奪いドイツエリアを駆け抜ける。ゴール前でキーパーと1対1になるが、冷静に駆け込んできた浅野にパスしてゴール。さらにアディショナルタイムとなる後半47分、久保がズーレを交わして左足でゴール前にクロスを上げ、田中がヘディングシュートで4点目。

これで日本代表は強化試合3連勝。森保監督をして「高い目標を持ちながら準備を進める上での、勝利ということよりチャレンジができたことがよかった」と語る、2026ワールドカップで新しい景色を見るためのこれ以上ない最高の試合になったと言えるだろう。

Profile

小池昌敏

1967年神奈川県生まれ。編集兼ライター歴30年以上のフリーで活躍するベテラン記者。スポーツはサッカーから野球、釣りまで何でも大好きだが、基本的に身体を使うのは苦手で観戦が専門。


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