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【天皇杯決勝】PK戦10人目で決着! 120分+PKの熱戦を制して川崎が優勝!!

2023年12月14日 |

天皇杯 JFA 第103回全日本サッカー選手権大会決勝
川崎フロンターレ 0-0(延長 8-7 PK戦) 柏レイソル @国立競技場(東京)
2023/12/9 14:00 キックオフ NHK総合

2020年以来の優勝を目指す川崎は、6日前に行われた近接の試合からスタメン5人を交代。GKチョン ソンリョン、最終ラインにDF登里享平、DF山村和也、DF大南拓磨、DF山根視来の4枚。アンカーにMF橘田健人、インサイドハーフ左にMF瀬古樹、右にMF脇坂泰斗。前線に左からFW宮代大聖、FWレアンドロ ダミアン、FW家長昭博の3人を並べた4−3−3のフォーメーション。

2012年以来の11大会ぶりの優勝を狙う柏は、同じく6日前の近接の試合からスタメン4人を交代。GK松本健太、最終ラインがDF片山瑛一、DF古賀太陽、DF立田悠悟、DF土屋巧の4枚。ボランチはMF高嶺朋樹、MF椎橋慧也。左サイドにMFマテウス サヴィオ、右サイドにMF小屋松知哉。2トップにFW山田康太、FW細谷真大という4−4−2のフォーメーションだ。

試合は序盤からハイプレスをかける柏の攻めが続く。2分には早くも右PKからFWマテウス サヴィオが低いボールを入れ、こぼれ球を自らシュートに行くもゴール右外。さらに8分にも柏の右PKから入れたボールを川崎DFが防いで再びPKという展開が3度繰り返され、3度目ではMF小屋松が左サイドからシュートを狙いボールがクロスバーの上を通過した。

直後の12分、川崎にこの試合初のチャンスが訪れる。ペナルティエリア中央でFWレアンドロ ダミアンが下げたボールがFW家長のシュート機につながるが、柏のMF椎橋がブロックして川崎は攻めきれない。すると14分、再び柏の攻めでMF小屋松が右サイドを突破してペナルティエリア右奥からシュート。川崎GKチョン ソンリョンがなんとかパンチでクリアする。続いて22分にはFWマテウス サヴィオが中央左を縦に突破してペナルティエリア左角からシュートを放つも、ボールは惜しくもゴールの左外へ。
一方的に攻められる川崎は39分、右サイドのFWレアンドロ ダミアンからロングパスを受けたMF瀬古がペナルティエリア左手前でロングシュートを放つがクロスバーの上。前半の川崎のシュートはこの1本にとどまり、完全に柏ペースのまま前半戦終了となる。

後半戦、前半で攻めきれなかった川崎は開始1分、ペナルティエリア中央手前でFKというビッグチャンスを掴む。だがMF脇坂が蹴ったボールがクロスバーの上に外れると、その後は前半とは違う柏と川崎の攻防が展開。相手エリアを攻め合うが両チームともシュートチャンスは訪れない。

すると後半19分、川崎はMF瀬古に代えてFW遠野大弥、FW宮代に代えてMF瀬川を投入し攻撃力アップを図る。そして後半23分、川崎が柏エリアを攻めペナルティエリア内へパスを送ると、こぼれたボールをFWマテウス サヴィオが大きく川崎エリアへ戻す。するとボールはハーフラインを超え、川崎のFWレアンドロ ダミアンと柏のFW細谷が追いかける形に。これに細谷が先に追いつきキーパーと1対1になるが、細谷のタッチが微妙に大きくキーパーがセーブ。柏がビッグチャンスを逃す。

後半30分、川崎はさらにFWレアンドロ ダミアンに代えてFW小林悠を投入。柏もMF小屋松に代えてMF戸嶋祥郎を、FW山田に代えてFW山本桜大を投入。すると34分、柏エリアでヘディングでのボールの奪い合いからこぼれたボールを、川崎のFW遠野が走り込んでボレーシュート。だがこれはキーパーの正面。

その後も両チームとも激しい攻防。だが決定機がなく、川崎は42分に交代枠を使い切りDF大南をDFジェジエウに、MF脇坂をMFジョアン シミッチに交代させて2ボランチで4−2−3−1の形に。後ろからのシミッチの大きなパスも視野に入れたシステムを作る。そして後半45分が経過し、8分のアディショナルタイムへ。

アディショナルタイム3分、柏はMF高嶺に代えてMF仙頭啓矢を、DF土屋に代えてDF川口尚紀を投入。すると5分に川崎のFW家長と柏のFWマテウス サヴィオのボールの奪い合いでサヴィオにファウル判定。ペナルティエリア右でのFKをFW遠野がニアへ入れると、柏のMF戸嶋がクリアして再びボールは遠野へ。これを今度はファーへ上げるとFW小林がヘディングシュート。だがキーパーの正面となってしまう。

するとアディショナルタイム8分に柏が右PKのチャンス。FWマテウス サヴィオが入れたクロスをFW家長がクリアするも、こぼれ球にMF仙頭が反応。縦に入れるとDF片山と家長の奪い合いとなり、ラインを割らずにボールを残した片山が角度のないところからシュート。だがこれはゴールポストに弾かれて90分終了。延長戦突入となる。

延長戦前半は川崎ボールでキックオフ。すると3分、自軍ペナルティエリア手前でこぼれ球をFWマテウス サヴィオがパスミス。これを川崎DF登里がゴール前にクロスを上げ、FW小林がヘッドで合わせに行くがうまく合わない。すると今度は7分に川崎のペナルティエリア中央手前の絶好の位置で柏のFK。FWマテウス サヴィオのシュートは川崎DFの壁に弾かれるも、フリースローから受けたボールをDF片山がFWマテウス サヴィオにつなぎペナルティエリア左手前からロングシュート。だがこれはクロスバーの上へ。そして9分にはDF片山が裏へ送ったボールにFW細谷が追いつきキーパーと1対1になるが、細谷のシュートを川崎GKチョン ソンリョンがクリア。ボールは細谷とともにペナルティエリア左へ流れ、細谷が中に入れようとすると再びGKチョン ソンリョンがクリア。ボールは外へ出ずプレーは続き、今度はゴール前の混戦からペナルティエリア手前中央のMF仙頭の元へ。これを仙頭がダイレクトボレーシュートするも、ボールは惜しくもゴールの左外へ。柏の再三再四のビッグチャンスを川崎が防ぎきる。

延長戦14分、柏はMF椎橋を下げてFW武藤雄樹を投入。このまま延長前半が終了となる。

延長戦後半、川崎はFW小林を下げてFWバフェティンビ ゴミスを投入し、4−2−3−1に代えていた陣形を4−3−3に戻す。すると延長後半3分、川崎のDF山根が柏サイド右の深いところからペナルティエリア中央に大きなクロスを供給。これを変わったばかりのFWバフェティンビ ゴミスがオーバーヘッドシュートで狙うが微妙にタイミングが合わない。

すると延長後半5分、FWマテウス サヴィオが川崎ペナルティエリア左手前でロングシュートを放つが、これはキーパーの正面。さらに6分にはMF戸嶋がドリブルでペナルティエリア内に走り込み倒れるがファウルは取られず。さらに9分にもペナルティエリア手前の混戦からFWマテウス サヴィオがシュートを撃つもGKチョン ソンリョンがキープ。

すると延長後半12分、川崎がDF山根、MFジョアン シミッチ、MF橘田と回してペナルティエリア右に進み、山根がクロスを上げるとFWバフェティンビ ゴミスが完璧なタイミングでヘディングシュート。だがこれをGK松本健太がビッグセーブ。こぼれ球も外に蹴り出すファインプレーを見せる。その後も川崎がCKからチャンスを作るが、今度は柏DFがしのいで試合終了。PK戦へともつれ込む。

PK戦は川崎が先攻で、41家長◯、30瀬川◯、31山村○、8橘田◯、18 Bゴミス×、2登里×、17遠野◯、13山根◯、6Jシミッチ◯、1チョン ソンリョン◯。

後攻の柏が、10Mサヴィオ○、19細谷◯、28戸嶋○、41仙頭×、9 武藤◯、16片山×、45山本◯、24川口◯、50立田◯、46松本×。

激闘はPK戦にまで及び、最後はキーパー同士が蹴り合う10人目までもつれる戦いを制し、川崎フロンターレが3大会ぶり2回目の天皇杯 JFA全日本サッカー選手権大会優勝の座を勝ち取った試合となった。

Profile

小池昌敏

1967年神奈川県生まれ。編集兼ライター歴30年以上のフリーで活躍するベテラン記者。スポーツはサッカーから野球、釣りまで何でも大好きだが、基本的に身体を使うのは苦手で観戦が専門。


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