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【FIFAクラブワールドカップ2023】欧州王者相手に奮闘した浦和! 最終結果は4位に!!

2023年12月28日 |

FIFAクラブワールドカップ サウジアラビア2023 準決勝
浦和レッズ 0-3 マンチェスター・シティFC @キング・アブドゥッラー・スポーツシティ・スタジアム(ジェッダ)
2023/12/19 21:00(日本時間12/20 3:00)キックオフ FIFA+
シティ:オウンゴール 45+1/マテオ コバチッチ 52/ベルナルド シウバ 59

6大陸における選手権大会優勝クラブと開催国の国内リーグ優勝クラブが、クラブチーム世界一をかけて戦うFIFAクラブワールドカップ2023。浦和レッズがクラブ・レオンを下したことにより、この日は準決勝として浦和レッズVSヨーロッパのUEFAチャンピオンズリーグ王者マンチェスター・シティFCの戦いが行なわれた。

この日も浦和は4−2−3−1のフォーメーションで、スタメンはクラブ・レオン戦と同じGK西川周作、最終ラインにDF明本考浩、DFマリウス ホイブラーテン、DFアレクサンダー ショルツ、DF関根貴大の4枚。ボランチにMF岩尾憲、MF伊藤敦樹。左ウイングにMF小泉佳穂、右ウイングにMF大久保智明、トップ下にMF安居海渡、ワントップにFWホセ カンテ。

対するシティは、GKエデルソン、最終ラインがDFナタン アケ、DFマヌエル アカンジ、DFジョン ストーンズ、DFカイル ウォーカーの4枚。アンカーにMFロドリ、インサイドハーフにMFマテオ コバチッチ、MFマテウス ヌネス。前線にMFジャック グリーリッシュ、MFベルナルド シウバ、FWフィル フォーデンを並べた4−1−2−3のフォーメーションを組んだ。

試合は序盤からシティのペース。開始2分にはMF伊藤がシティのMFコバチッチからボールを奪い速攻をかけ、MF大久保がペナルティエリア内にボールを上げるシーンも見られたが、相手DFウォーカーにクリアされゴールならず。それ以外はシティがボールを保持する時間が続くが、積極的な攻めではなくパス回しからのロングシュートなど様子を見ているような形で、両者ともにゴールを脅かされるような展開にはならない。

だが14分、シティのMFグリーリッシュが左サイドをドリブルで仕掛け、MFシウバとの連携から右足でシュートを放つが、これを浦和GK西川がブロック。さらに15分にはMFグリーリッシュからパスを受けたMFシウバがペナルティエリア手前からシュートを撃つがボールはクロスバーの上。続いて19分にもMFグリーリッシュのループパスに走りこんだMFシウバがうまく合わせるがGK西川がキャッチと、シティの激しい攻めをGK西川のファインセーブなどで浦和が守りぬく展開が続く。

そうしてシティの10本以上のシュートを防ぎ、0−0で折り返しを迎えようとした前半アディッショナルタイム突入直後。シティのMFヌネスがドリブルで中央を上がり、右サイドのMFシウバとのパスの交換でペナルティエリア右からMFヌネスが低いクロスを入れる。これをニアにいた浦和のDFホイブラーテンが足を伸ばしてクリアしようとするが、足に当たったボールはゴール右隅に入ってしまい痛恨のオウンゴール。浦和が1点ビハインドで前半終了となる。

両チームとも選手交代なしで迎えた後半戦。シティのDFウォーカーが自軍右サイドからハーフライン中央までドリブルで上がり前線へロングスルーパスを送ると、MFコバチッチが浦和DFの間でボールを受ける形となり、抜け出してGK西川と1対1に。ペナルティエリア内に侵入してGK西川の動きを見ながら冷静にシュートを撃つと、ボールはゴール上部に吸い込まれてシティが2点目を獲得。

なおもシティのペースは続き、11分にはMFグリーリッシュが左サイドを上がって深いところからゴール前にクロス。これにMFヌネスが反応してヘディングシュートに行くが、ボールはゴール右外へ。ここで浦和はMF伊藤に変えてDF荻原拓也を、MF大久保に変えてFWアレックス シャルクを投入し流れを変えに来る。

だが直後の14分、DFアカンジからパスを受けたMFヌネスがドリブルでペナルティエリア左手前に進み浦和DFを交わして強烈なシュート。これをGK西川が何とか弾くも、こぼれ球を拾ったMFシウバがペナルティエリア右手前からシュート。このボールが浦和DFホイブラーテンに当たって軌道が変わってしまい、ボールはゴール右隅へ吸い込まれシティが3点目を獲得。

その後、浦和はMF小泉に替えてMF中島翔哉を、FWカンテに替えてFWブライアン リンセンを投入。すると後半20分にシティのDFウォーカーがGKエデルソンに送ったバックパスを入ったばかりのFWリンセンが奪うビッグチャンスが到来。ペナルティエリア左でキーパーと1対1になったFWリンセンがシュートではなくMF中島へのパスを選択すると、走りこんできたシティDFストーンズがクリア。さらに後半32分にキャプテンMF岩尾がMF柴戸海と交代。すると後半35分にキャプテンマークを受け継いだDFショルツが相手エリアまでボールを運び左サイドのMF中島へパス。受けた中島が中央から縦パスを入れると、相手DFがクリアしたボールがゴール前へ。これに中島が反応して最終ラインを突破するも、詰めてきたGKエデルソンに止められてしまう。

さらに後半38分には相手エリア中央でのFKから相手ペナルティエリア内を攻め、DFショルツがクロスを供給するもDFアケがクリアと、浦和が粘りを見せるも得点には至らず試合終了。勝利したシティは決勝戦へ、浦和は3位決定戦へと進むことになった。

FIFAクラブワールドカップ サウジアラビア2023 3位決定戦
浦和レッズ 2-4 アル・アハリFC @プリンス・アブドゥッラー・アル・ファイサル・スタジアム(ジェッダ)
2023/12/22 17:30(日本時間12/22 23:30)キックオフ FIFA+
浦和:ホセ カンテ 43/アレクサンダー ショルツ 54
アル・アハリ:ヤセル イブラヒム 19/パーシー タウ 25/オウンゴール 60/アリ マールル 90+8

アジアAFCチャンピオンズリーグ王者の浦和レッズと、アフリカCAFチャンピオンズリーグ王者のアル・アハリFCの対決となった3位決定戦。

2007年以来の3位を狙う浦和は、準決勝のマンチェスターC戦からスタメンを2人入れ替え、GK西川周作、最終ラインにDF明本考浩、DFマリウス ホイブラーテン、DFアレクサンダー ショルツ、DF酒井宏樹の4枚。ボランチにMF岩尾憲、MF伊藤敦樹。左ウイングにMF小泉佳穂、右ウイングにMF大関根貴大、トップ下にMF安居海渡、ワントップにFWホセ カンテの4−2−3−1の布陣をとった。

対するアル・アハリは準決勝のフルミネンセFC戦からスタメンを一人替え、GKモハメド エルシェナウィ、4バックをDFアリ マールル、DFモハメド アブデルモネイム、DFヤセル イブラヒム、DFモハメド ハニー。アンカーにMFマルワン アテヤ、インサイドハーフにMFエマム アシュル、MFアハメド コカ。前線にFWフセイン エルシャハト、FWカハラバ、FWパーシー タウの4−1−2−3の布陣。

試合は序盤から浦和が攻め、開始2分には相手エリアの右サイド深くからMF伊藤がクロスを送り、これに反応したMF安居がペナルティエリア中央で合わせるもボールはクロスバーの上へ。さらに7分には右CKでMF岩尾がペナルティエリア中央へクロスを入れ、FWホセ カンテがフリーでシュートを放つがうまく蹴れずにボールは枠の外へ。

序盤から浦和に好機が続き良い流れが来ていたが、後半19分に一気に流れが変わる。アル・アハリが左CKからボールを回し、左サイドからパスを受けたDFハニーが浦和エリア中央で強烈なミドルシュート。これをGK西川が弾くも、ボールは高く上がりゴール方向へ。このボールに複数の選手が詰めるが、アル・アハリのDFイブラヒムが先に追いつき押し込んで先制点。さらに直後の25分にも、自軍ペナルティエリア内でDFショルツとビルドアップしようとするMF伊藤にアル・アハリのDFアブデルモネイムが飛び込んでボールを奪取。FWタウにパスすると、ペナルティエリア中央でフリーの状態となったタウがシュートを決めて2点目のゴール。

2点差を追いつきたい浦和は前半43分、MF小泉が相手エリア中央左寄りの場所から右サイドへパスを送り、これをDF酒井がヘッドでクロスを上げると、ニアで競り合いになり相手DFアブデルモネイムがヘッドでクリア。だがこのボールが浦和FWカンテのところに飛び、カンテが直接左足でボレーシュート。ボールはゴール左に吸い込まれ、浦和が1点差に詰めたところで前半終了。

後半戦、浦和はMF関根に替えてFWブライアン リンセンを、MF岩尾に替えてMF中島翔哉を投入。すると開始早々、相手のミスからボールを奪ったMF小泉が縦パスでFWカンテにつなげると、カンテからMF伊藤、さらに替わったばかりのFWリンセンに渡り、リンセンがゴールへ押し込もうとするがボールは枠の外へ。さらに後半6分にはDFショルツがペナルティエリア内に縦パスを入れ、FWリンセンがヘディングでシュートしようと試みるが相手DFがクリア。だがこの際、相手DFが手でボールを弾いたとしてVAR判定。さらにオンフィールドレビューで審判確認が行われ、ハンドの判定で浦和にPKが与えられる。キッカーはDFショルツで、右に飛ぶGKに対して冷静に中央に蹴りゴール。浦和が同点に追いつく。
追いつかれたアル・アハリは後半14分、FWエルシャハトに替えてDFカリム フアド、FWカハラバに替えてMFタハール モハメドと二人を交代。すると直後の15分、右サイドからMFアシュルが入れたクロスをDF酒井がクリア。ボールはペナルティエリア左に転がり、そこへ駆け込んだDFマールルがシュートを放つと、ボールが駆け込んで来たMF小泉に当たってゴール左に。GK西川も何とか反応するが止められずに浦和のオウンゴールとなってしまう。

直後に浦和はDF酒井に替えてDF荻原拓也を、MF小泉に替えてFWアレックス シャルクを投入し、再びの得点を狙う。すると直後の後半23分、相手エリア右サイドでFKを得て替わったDF荻原がゴール前にクロス、DFホイブラーテンがヘディングシュートを試みるが相手GKがキャッチ。後半26分、DFハニーがペナルティエリア手前右からゴールにクロスを上げるが、GK西川が難なくキャッチ。だがこの際、ペナルティエリア内で前に詰めようとしたDFフアドをDF荻原が倒してしまい、アル・アハリにPKが与えられる。絶体絶命のピンチだが、このPKを西川がビッグセーブ。

すると浦和は後半35分にMF伊藤に替えてFW興梠慎三を投入し攻撃力をアップ。アル・アハリゴールを積極的に狙うが、相手DFに阻まれゴールを奪えず9分のアディッショナルタイムへ突入。この間も2度のCKチャンスを得るがゴールシーンには繋げられず、逆に後半52分にDF明本がMFアフシャを倒してしまい、ペナルティエリア手前右でアル・アハリがFKを得る。キッカーのDFマールルが左足で直接ゴールを狙うと、GK西川の手を弾いて強烈なボールがゴールに突き刺さり4点目。


奮闘を見せた浦和だったが、結果は4位に終わった。そして優勝は、準決勝で浦和に勝利したマンチェスター・シティFCとなった。

Profile

小池昌敏

1967年神奈川県生まれ。編集兼ライター歴30年以上のフリーで活躍するベテラン記者。スポーツはサッカーから野球、釣りまで何でも大好きだが、基本的に身体を使うのは苦手で観戦が専門。


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