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【天皇杯】ベスト4決定! 準々決勝を勝ち残ったのは!?

2023年9月6日 |

天皇杯 JFA 第103回全日本サッカー選手権大会 準々決勝
ロアッソ熊本(J2) 1-1(延長 4-3 PK戦)ヴィッセル神戸(J1) @ えがお健康スタジアム
2023/08/30 19:00キックオフ NHK BS1
熊本:平川怜 60
神戸:ジェアン パトリッキ 87

J2で唯一準々決勝へと駒を進めたロアッソ熊本と、現在J1リーグで首位を走るヴィッセル神戸の戦い。熊本は3日前のJ2FCいわき戦から3人を入れ替え3-3-1-3のフォーメーションに。ヴィッセル神戸は4日前のJ1FC東京戦から大迫勇也や武藤嘉紀など5人を入れ替え4-3-3のフォーメーションで挑んだ。

試合開始早々、熊本の竹本がドリブルで切り込みシュートを放つも、神戸GK前川に弾かれCK。するとCKでクロスに上がったボールを神戸がクリアし、ジェアン パトリッキがロングで蹴り出すと、今度はカウンターで神戸の川崎が相手ペナルティエリア内に切り込むなど、序盤から両者共に積極的な攻撃姿勢を見せる。

前半中盤になると神戸がペースを掴み、18分には初瀬がペナルティエリア左手前からシュートを放つも熊本GK田代がセーブ。21分にはヘディングシュートが合わず、35分にはシュートが枠外へ大きく外れるなど、神戸が攻める展開もゴールには届かず前半が終了。

後半も4分に神戸の佐々木がクロスをヘディングシュートするが、GK田代がファインセーブ。さらに6分には後半から投入された大迫がクロスに合わせるも決まらない。

すると後半13分、熊本の田辺が平川から受けたワンツーをペナルティエリア内でシュート。これは神戸GK前川にファインセーブされるも、続く15分にペナルティエリアに切り込んできた大本のパスを浮いていた平川がシュートし、見事にゴールを揺らして熊本が先制。

追いつきたい神戸は後半18分、飯野七聖と大崎玲央を投入。激しく攻めるも熊本の守りにチャンスが作れないが、終了間際となった後半42分。武藤と江崎の競り合いで熊本ゴール前に高く浮き上がったボールを神戸のパトリッキが頭で押し込み同点ゴールで延長へ。

延長戦の前半2分、パトリッキがゴールライン際で折り返したボールに大迫が飛び込むが枠の外。そのまま延長戦の攻防は神戸が押し、後半15分に武藤からのゴール前へのパスに井出が反応してゴールネットを揺らす。だが直後にフラッグが上がってオフサイド。PKへともつれ込んだ。

PK戦は神戸先行で、大迫◯、武藤×、山口○、大崎×、井出◯。後攻の熊本が、黒木○、東山×、田代○、栗飯原○、平川◯で勝利。リーグ戦では引き分けを挟む大きな連敗中でJ2残留争いをしている熊本が、J1で首位を走る神戸相手にジャイアントキリングを果たした結果となった。

アルビレックス新潟(J1) 2-2(延長 3-4 PK戦) 川崎フロンターレ(J1) @ デンカビッグスワンスタジアム
2023/08/30 19:00キックオフ
新潟:谷口海斗 30、早川史哉 120+1
川崎:瀬古樹 68、山田新 109

アルビレックス新潟はリーグ戦との連戦を配慮してか、直近の鹿島戦からスタメン11人全員を変えて1トップにグスタボ ネスカワを入れた4-2-3-1のフォーメーション。同じくリーグ戦からの連戦となる川崎フロンターレは、佐々木旭、Jシミッチ、小林悠、瀬川祐輔を、宮代大聖、登里享平、マルシーニョ、瀬古樹に変えて4-3-3で挑んだ。

序盤は川崎が前線でプレスをかけて攻め、新潟がビルドアップする展開。川崎が優位に試合を進めていたが、先制点を奪ったのは新潟。前半30分、谷口がドリブルで中盤を突破し、相手ペナルティエリア内でシュート。すると流れは新潟に傾き、その後は川崎のミスもあって新潟優位で前半が終了する。

後半戦、流れを変えたい川崎は宮代と小林を交代。新潟陣内を攻めるが守勢に回った新潟に阻まれる。だが後半23分、川崎の家長が右サイドからクロスを上げ、外から走り込んだ瀬古がネットを揺らして同点。この辺から互いに攻め合う展開になるも、試合は延長へ。

互いに譲らない延長戦、後半4分に川崎の小林が右サイドから上げたクロスを山田が振り向きざまにシュート。球はゴール左に突き刺さり川崎が逆転。ここから川崎が守りを固めるが、いつ試合が終わってもおかしくない延長戦後半16分、新潟の早川が右サイドから上がったクロスを頭で押し込み同点。2-2で試合終了となりPKへ。

PK戦は新潟が、鈴木◯、水戸◯、ダニーロ ゴメス×、堀米◯、高×。川崎が、小林○、瀬川◯、山村○、遠野○、山田×で勝利。川崎が2年ぶりのベスト4進出となった。

アビスパ福岡(J1) 3-1 湘南ベルマーレ(J1) @ ベスト電器スタジアム
2023/08/30 19:00キックオフ
福岡:山岸祐也 44,67、佐藤凌我 73
湘南:鈴木章斗 4

アビスパ福岡は4日前のリーグ戦からスタメン5人を交代させ、フォーメーションを4-4-2から3-4-2-1に。湘南ベルマーレは5日前のリーグ戦からGK富居大樹以外の10人を入れ替え、布陣を3-1-4-2から3-4-2-1にチェンジ。両者同じフォーメーションでの戦いとなった。

試合は序盤から動く。開始早々4分、湘南が右サイドからのスローインを中に入れると、受けた鈴木が身体を反転させてシュート。ゴール左に決まり湘南がリード。

追いつきたい福岡は積極的に攻撃を仕掛けるが、湘南のディフェンスに阻まれ、前半中盤に訪れた2度のシュート機はGK富居にファインセーブされる。そうして前半が終わろうとした44分、福岡の井手口が球際の攻防でボールを奪うと中央の山岸へ。そして山岸から佐藤、佐藤から前寛之へと繋がり、前寛之が中央へ出したボールを駆け込んできた山岸がシュート。福岡が同点に追いつく。

後半戦、序盤は湘南がチャンスを掴むもゴール前に上がるクロスはタイミングが合わない。そうしている内に流れは福岡へ。後半22分、井手口がペナルティエリア手前までドリブルで上がり左の山岸へパス。これで山岸がGKと1対1となり冷静に右を抜くシュートで逆転。勢いに乗る福岡はさらに後半28分にも山岸からの縦パスをペナルティエリア中央右で受けた佐藤がゴールを決める。

ここで湘南は後半28分に石原を岡本に、29分に小野瀬を大橋に、34分に鈴木を池田へと交代させて福岡陣内を攻めるが、守りを固める福岡を崩すことはできずに試合終了。福岡がクラブ史上初となる天皇杯ベスト4進出を決めた。

柏レイソル(J1) 2-0 名古屋グランパス(J1) @ 三協フロンテア柏スタジアム
2023/08/30 19:00キックオフ
柏:戸嶋祥郎 69、マテウス サヴィオ 90+3

J1リーグで現在残留争いという苦しい位置にいる柏レイソルと、3位で優勝争いに食い込める位置にいる名古屋グランパスの戦い。今季J1第4節では同じカード、0-3で名古屋が勝っている。

両チーム共に4日前に前節のリーグ戦を消化、3日後に次節がある連戦中ということもあり、レイソルはスタメンを8人入れ替えて細谷真大やマテウス サヴィオを温存。名古屋はオランダFCユトレヒトから復帰した前田直輝を右FCに据える7人の入れ替えで試合に挑んだ。

序盤に攻勢をかけたのは名古屋で、前半5分、10分と前田が右からシュートを撃つもレイソルGK松本に阻まれ、15分、19分には和泉が左からシュートを放つもレイソルDF陣に阻止されてしまう。対するレイソルも20分に仙頭がシュートを放つが名古屋GKランゲラックが掴み、27分に武藤が放ったシュートは枠外へと、激しい攻防が続く。

試合が動いたのは後半24分。レイソルがショートカウンター気味に切り込み、マテウス サヴィオがペナルティエリア手前左から右へパス。これを受けた戸嶋がペナルティエリア右から右足でシュートを決めて先制。名古屋は29分にフリーキックからシュート機を作るが枠外へ。以後はレイソルDF陣に阻まれ、ミスもあり、後半47分にはゴール前での名古屋の縦パスをマテウス サヴィオがカットしてゴール。レイソルがサポーターで沸くホームでリーグ戦の雪辱を果たし、ベスト4進出を決めた。

Profile

小池昌敏

1967年神奈川県生まれ。編集兼ライター歴30年以上のフリーで活躍するベテラン記者。スポーツはサッカーから野球、釣りまで何でも大好きだが、基本的に身体を使うのは苦手で観戦が専門。


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