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【女子ワールドカップ】なでしこジャパン見事にグループC首位通過!

2023年8月2日 |

FIFA 女子ワールドカップ
オーストラリア&ニュージーランド大会 2023 グループC 第2節
日本(11位) 2-0 コスタリカ(36位) @ ダニーデン スタジアム, オテポティ
2023/07/26 17:00キックオフ(日本時間7/26 14:00) NHK BS1
日本:楢本光 25(田中美南),藤野あおば 27

勝てば決勝トーナメント進出に近づくコスタリカ戦。最終節はランキング上位のスペインが相手だけに、ここで勝ち点6にしておきたいところ。なでしこは前節ザンビア戦から4人メンバーを入れ替えてキックオフを迎えた。

コスタリカは立ち上がりからハイプレスをかけてきたが、ポジショニングがよく、球際への反応が早いなでしこはハイプレスをものともせずペースを握る。11分には藤野のCKから熊谷がフリーでヘッド。16分、田中美南から左サイドの猶本へ出してのシュート。GKソレラが弾いたこぼれ球に藤野と清水が飛び込むなど決定機を作った。

25分、右サイドの三宅から田中美南へのロングフィード。田中美南がターンして左サイドへはたき、コスタリカDFがクリアできず左サイドの楢本に繋がって左足でファーに沈めて先制する。直後の27分、左サイドの杉田のクロスをセンターで田中美南がヘッド。右サイドに流れたボールを藤野が拾って勝負を仕掛けると、今度は右足でGKソレラのニアを抜いて2点目を決めた。その後もワイドから積極的に仕掛ける攻撃的なサッカーでコスタリカを圧倒して前半を終えた。

後半に入ってもなでしこはペースを落とさず。前線からプレスをかけてボールを奪うと、ショートカウンターから何度も決定機を作る。46分、左サイド杉田のクロスのこぼれにフリーで飛び込んだ林のシュートはクロスバーの上、49分楢本のシュート、50分長谷川のシュートはGKソレラの好守備に阻まれた。早い時間で追加点を奪って有利に進めたい日本だが、決定的なシーンで決めきれず。

植木、宮澤と前線にフレッシュな選手を投入して攻勢を強める。しかし、68分には左サイドのCK楢本のクロスのこぼれを宮澤がコントロールショットで狙うがわずかに枠をとらえられず。72分、右サイドの宮澤のクロスを植木があわせるがGKソレラがセーブ。77分には途中出場の清水が引っかけて植木、宮澤と繋いでのシュートはGKソレラがセーブと後半立て直したコスタリカの集中した守りを崩すことができなかった。

攻撃面では決定機に決めきれなかった課題があったが、守備面ではコスタリカのビルドアップをほとんど許さず。熊谷を中心とした守りで決定機を作らせなかった。グループステージ2連勝で勝ち点6。決勝トーナメント進出に王手をかけた。

FIFA 女子ワールドカップ
オーストラリア&ニュージーランド大会 2023 グループC 第3節
日本(11位) 4-0スペイン(6位) @ ウェリントン リージョナル スタジアム, テ・ワンガヌイ=ア=タラ
2023/07/31 19:00キックオフ(日本時間7/31 16:00) NHK
日本:宮澤ひなた 12(遠藤純),40(植木理子),植木理子 29(宮澤ひなた),田中美南 82(守屋都弥)

ワールドランキング6位スペインとの第3節は、グループC首位を決める全勝対決となった。スペインはUEFA女子チャンピオンズリーグ、リーガF、コパ・デラ・レイナすべてを制覇するトレブルを達成したバルセロナ・フェメニの選手6人がスタメン、2021、2022年バロンドールのプテジャスが中盤に君臨する。一方日本はコスタリカ戦から5人入れ替えて、今大会初出場の高橋はな、初スタメンの植木理子、ザンビア戦2ゴールの宮澤ひなた、1ゴール1アシストの遠藤純、中盤の要として長野風花が入った。1位通過だとグループA2位のノルウェー、2位通過だとグループA1位のスイスと対戦が決まるゲームは日本のキックオフ、GK山下へ戻して前線へのロングフィードで始まった。

トライアングルを作りショートパスを繋ぐティキタカ、ボールロスト後の即時奪還を目指す6秒ルール、グアルディオラが作り上げたバルセロナのようなサッカーでスペインは日本を圧倒する。ポゼッションするスペインに、日本はラインを低めにしてブロックを作り、パスを引っかけてのカウンターに構えた。

12分、最終ラインの熊谷から左サイドの遠藤へ出すと、ターンした遠藤がアーリークロス。スペインの最終ラインの広大な裏へ転がったパスは、飛び込んだ宮澤が左足で決めて先制する。さらに29分、カウンターから宮澤が右サイドを駆け上がり併走する植木へのパス。植木はボックス内で切り返して右足のシュート、ブロックに入ったパレデスに当たったリフレクションが高く跳ねてGKロドリゲスの伸ばした手は届かず2点目が決まった。

スペインは左サイドのパラジュエロにボールを集めて突破しようとするが、日本は遠藤と南が蓋をして自由にさせない。ポジションをチェンジし、精度の高いパスをボックスに放り込んでくるが、日本は体を張ったブロックではじき返す。40分、日本は決定的な3点目を決める。長野のパスカットから植木が持ち上がるカウンター。前線へのスルーパスを併走する宮澤が囲まれながらも右足でネットに突き刺してリードを広げた。

後半に入り、日本は2ゴールの宮澤を下げて藤野を投入。スペインはガルベスに代えてエルナンデスを投入して最終ラインのてこ入れをする。U20ワールドカップ2018決勝では日本がスペインを3-1で破り、2022年決勝ではスペインが3-1で日本を破っており、そのときのメンバーが多く出場している今大会はお互いに負けられない戦いとなっており、スペインは3点のビハインドを跳ね返すべく猛攻を仕掛けた。
日本はセカンドボールも拾えず苦しい時間が続くが、的確な読みからのロングカウンターからゴールに迫る。前半3本のカウンターから3ゴールを奪った日本の速さを警戒しながら3ゴールを目指すスペインだが、疲労とフラストレーションから明らかに運動量が落ちてきた。82分には右サイド守屋のスローインから田中美南が右サイドをドリブルで駆け上がってカットイン、そのまま左足でゴール左上隅に決めて4-0と試合を終わらせた。

首位通過を決めた日本は8月5日にグループA2位のノルウェーと対戦する。

Profile

今里浩紀

1968年愛媛県生まれ。JFA公認C級コーチ。1982年ワールドカップスペイン大会と「キャプテン翼」でサッカーの面白さに目覚める。出版社で編集者として活動、現在はフリー。


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