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【キリンチャレンジカップ2023】大量ゴールを奪ってSAMURAI BLUE連勝!

2023年6月28日 |

キリンチャレンジカップ2023
日本代表(20位) 4-1 ペルー代表(21位) @ パナソニックスタジアム吹田/大阪府吹田市
2023/6/20(火) 18:55 Kickoff TBS系列
日本:伊藤洋輝 22(遠藤航),三笘薫 37(鎌田大地),伊東純也 63(三笘薫),前田大然 75
ペルー:ゴンサレス 83

6ゴールを奪って完勝したエルサルバドル戦から、メンバー6人を入れ替えて臨んだペルー戦。ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイ、チリ、エクアドルといった強豪国がひしめく南米予選で2018年ロシア大会本戦出場、2022年カタール大会は大陸間プレーオフで敗れて本戦出場は逃したものの南米予選5位に食い込んだ。ワールドカップで過去二度ベスト8に勝ち上がったこともある。北米大会へ向けた力試しには格好の相手だ。

右サイド伊東の速さとフィジカルの強さ、左サイド三笘の変幻自在のドリブル。エルサルバドル戦のように選手の距離感と連係がうまく繋がっていれば、両ワイドからのアタックは日本の大きな武器になる。

その意味では伊藤のミドルシュートが決まったのは大きかった。右サイドの伊東から遠藤を経由して左サイドの伊藤へパス。フリーの伊藤がミドルを突き刺して代表初ゴールを挙げた。守備の意識が強く、ワールドカップカタール大会でも前へのパスより最終ラインで横に繋いでいた伊藤がニアゾーン近くに上がっていたことが驚きだったし、迷うことなくミドルを撃ったことで伊藤は左サイドのラインに乗っかった。三笘の攻撃力を活かしつつ、背後をカバーすることは難度の高いミッションだが、勇気を持って上がることでクリアした。

追加点はGK中村航輔から右サイド菅原へ出してのビルドアップから。縦のラインを形成する伊東とのパス交換から鎌田を経由して、左サイドの三笘へのサイドチェンジ。センターで古橋が前へDFを引っ張ってスペースを作り、三笘のゴールを引き出した。

ペルーは鋭いカウンターで日本ゴールに迫ったが、オフサイドによるノーゴールもあり、素早い戻りと粘り強い守備により、無失点で前半を終えた。

後半、旗手を下げて守田を投入し、重心をわずかに下げた日本代表。鎌田が1トップを近いポジションでフォローし、ボールを繋いで両ワイドの攻撃の強度を保つ。古橋がアウトして前田が入ってすぐのプレー。前田が潰れてこぼれたボールを左サイドの三笘に繋いでビッグチャンスを作った。三笘は自分で撃てたチャンスで伊東にクロスを送り、伊東は大切にGKガジェセを交わしてゴールを決めた。

さらに交代で入った堂安と久保のプレスでペルーのミスを誘い、前田が抜け出してGKガジェセを破って4点目。エルサルバドル戦に続いて大量ゴールを奪って2連勝を飾った。

エルサルバドル戦で、右サイドの久保、堂安、菅原のライン、左サイドの三笘、旗手、森下のラインが機能したように、ペルー戦で右サイドの伊東、鎌田、菅原のライン、左サイドの三笘、旗手、伊藤のラインも遜色なく躍動した。強い気持ちで前方へパスを出すこと、近いポジションでプレーしてお互いをカバーするといった当たり前のプレーができるようになったことで攻撃が見事に繋がった。

失点のシーンは、カルタヘナのボックス内へのフィードは谷口が跳ね返したもののこぼれ球への反応が遅れて、ゴンサレスが蹴り込んだ。クリアボールへの反応は難しいが、集中なのか、予測なのか、反射神経なのか、ボールへの嗅覚なのか。相手より早く反応してセカンドボールが常に拾えるようになってくれば、世界ランキング10位以内の国と互角に戦えるようになるのではないか。9月のドイツ戦で同じようにプレーできれば日本代表はワールドカップベスト8へ向けて正しい道を歩み始めたと言えるだろう。

Profile

今里浩紀

1968年愛媛県生まれ。JFA公認C級コーチ。1982年ワールドカップスペイン大会と「キャプテン翼」でサッカーの面白さに目覚める。出版社で編集者として活動、現在はフリー。


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