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【キリンチャレンジカップ2023】攻撃的なサッカーこそ勝ち上がる道! 日本代表がエルサルバドルに圧勝!!

2023年6月21日 |

キリンチャレンジカップ 2023
日本代表(20位) 6-0 エルサルバドル代表(75位) @ 豊田スタジアム/愛知県豊田市
2023/6/15(木) 19:10 Kickoff フジテレビ系列
日本代表:谷口彰悟 1(久保建英),上田綺世 4(pen.),久保建英 25(三笘薫),堂安律 44,中村敬斗 60(久保建英),古橋亨梧 73(相馬勇紀)

キックオフからわずか5分で日本が2点リード。ワールドカップカタール大会で見せた消極性を打ち消す攻撃的なサッカーを見せた。

最終ラインの板倉から左サイドへのロングフィード。三笘のドリブルはファールで止められたものの、FKから谷口が代表初ゴールで先制。エルサルバドルのキックオフにプレスをかけミスを誘発させてPK奪取、レッドカードが出て数的有利ももぎ取った。

ワールドカップのコスタリカ戦。守備的に振る舞い、相手に付き合った挙げ句にカウンターでゴールを奪われたゲームとはまったく違うスタイル。森保監督も攻撃的なサッカーこそが勝ち上がる道だと感じたからこそ、変えてきたのだ。

4-3-3への回帰、右サイドに久保、左サイドに三笘、1トップにポストプレーができる上田を配置。インサイドハーフの堂安が久保と、旗手が三笘と入れ替わりながらバイタルエリアを攻略する。左サイドの三笘、旗手、森下はお互いに近い距離でプレーし、ポジションチェンジをしながらパスコースを作り、カバーもサボらずにやっていた。1トップの上田も含めた4人は2019年ユニバーシアード・ナポリ大会のメンバーで、コンビネーションの習熟度が高く、ゴールを狙う意識を共有していた。

残念だったのは、上田へのファールでロドリゲスにレッドカードが出たこと。森保監督も日本代表メンバーも最後まで11人対11人でのゲームを戦いたかったはずだ。しかし、ロドリゲスのプレーはDOGSO(Denying an Obvious Goal Scoring Opportunity 決定的な得点機会の阻止)であり、フレンドリーマッチでジャッジが緩くなるとしても、倒れ込みながら上田を押し倒してプレーさせないためだけのファールは、ボールに対してプレーしていないことが明白でレッド以外の選択はなかった。

日本は数的有利になってからも攻撃の手を緩めず。ボックス内へ決定的なパスをいくつも出し続けた。24分、エルサルバドルのFKからペレスがこのゲーム唯一の枠内シュートを放つもののGK大迫がビッグセーブで防ぐと、25分に三笘のクロスから久保が決めてゴール。44分に上田のポストプレーで三笘が抜け出してシュート。こぼれに詰めた堂安が押し込んで4-0で折り返した。

後半に入って、三笘、菅原に代えて中村敬斗と相馬を投入。代表初出場の森下は中村敬斗ともいい距離感でプレーしていて左サイドを活性化し、相馬は本職ではない右サイドで堂安、久保との高い連携を見せた。51分に堂安のシュートのこぼれを上田が押し込んだプレーはオフサイドになったものの、60分にボックス内で久保のパスを中村敬斗が決めて追加点。数的有利時にはこうあるべしと、U20ワールドカップアルゼンチン大会でイスラエルに逆転負けを喫したU20日本代表へのレッスンであるかのような攻撃的な姿勢を貫いた。

65分に堂安に代えて川辺、久保に代えて浅野、上田に代えて古橋を投入。川辺がフリーランニングで何度もスペースを作り、73分には相馬のクロスから古橋のヘッドで6点目。第2次森保政権3戦目での初勝利は大勝となった。そして3戦目でもっとも選手が気持ちよくプレーできたゲームとなった。

Profile

今里浩紀

1968年愛媛県生まれ。JFA公認C級コーチ。1982年ワールドカップスペイン大会と「キャプテン翼」でサッカーの面白さに目覚める。出版社で編集者として活動、現在はフリー。


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