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【キリンチャレンジ杯】非シュート1回のみの無失点。鉄壁の守りで森保ジャパンが国際試合6連勝!

2023年11月1日 |

キリンチャレンジカップ2023(国際親善試合)
日本代表(19位) 2-0 チュニジア代表(29位) @ノエビアスタジアム神戸(兵庫)
2023/10/17 19:10 キックオフ フジテレビ
日本: 古橋亨悟 43/伊東純也 69

森保ジャパンが鉄壁の守りでチュニジアを下し、今年6月からの国際試合を全て勝利する6連勝を飾った。日本代表とチュニジア代表はこの試合までに5回の対戦があり、4勝1敗と成績的には日本が大きく勝ち越している。だが唯一の1敗が直近の2022年6月14日に行われたキリンカップ決勝戦で、3−0と完敗していただけにこの試合は雪辱を果たすべく負けられない一戦となっていた。

日本は13日に行われたカナダ戦からDF中山雄太、DF冨安健洋、MF遠藤航、MF伊東純也の4人を残し、他の7人をスタメンチェンジ。GKに代表スタメン初となる鈴木彩艶を起用。DFは菅原由勢、板倉滉、冨安健洋、中山雄太。ボランチに遠藤航、守田英正。右サイドに伊東純也、左サイドに旗手怜央、トップ下に久保建英。ワントップに古橋亨梧を配し、4−2−3−1のフォーメーションを組んだ。

対するチュニジアは中盤に厚みを持たせた3−4−2−1のフォーメーション。得点力の高い日本に対し、厚いディフェンス陣を中盤に置いて守りを固めつつ、ミドルブロックからワントップのジェバリにボールを渡してカウンターを仕掛ける作戦だ。

試合は序盤から日本がチャージして主導権を握る展開。鋭いプレッシングで相手ペナルティエリア内まで攻め、チュニジアが厚いディフェンスでクリアする形が続く。すると11分、古橋が相手ボールをうまくカットしてドリブルで攻めると、ペナルティエリア前で倒されFKを獲得。ペナルティエリア手前左という良い位置からのFK、菅原が蹴ると見せかけ久保が低いボールで直接ゴールを狙うも、チュニジアGKムエズ アセンがセーブ。

その後もボール支配率は日本が圧倒的に高いが、攻める日本に対しチュニジアはフォーメーションを5−3−2に変えて堅い守りを見せる。1年前のチュニジア戦では決定機を決めきれず無得点に終わっているだけに、なんとか突破したいところ。すると23分、右サイドを上がる伊東から久保にパスが通り、久保が左足でシュートするも相手DFに当たりボールは左サイドへ。ここへ旗手が駆け込んでダイレクトにシュートするがボールはクロスバーの上。さらに25分にも伊東がドリブルでペナルティエリア右へ入るビッグチャンスを迎えるが、ボールを受けた菅原のシュートは相手DFがクリア。すると27分にはチュニジアが中央を上がり、ペナルティエリア左から中央へクロスを入れるがGK鈴木がこれをキャッチ。代表初スタメンの鈴木が落ち着いた動きで森保ジャパンの層の厚さを見せつける。

日本は33分、伊東と古橋が連携で相手ペナルティエリア右を攻めてゴールを狙うが、相手DFにクリアされ得点に至らず。さらに35分にはペナルティエリア左に走り込んだ旗手を相手DFがブロック、CKになるがこれもゴール前で相手DFがクリア。36分にもペナルティエリア左の深いところからクロスを供給、遠藤がシュートを撃つが相手DFがブロック。日本の攻めが続くも相手DFにクリアされ続ける。

これを打破したのが前半43分。良い形のビルドアップで遠藤からパスを受けた守田が中央を上がり久保へ縦パス。久保は相手DFにタックルされながらもボールを渡さず旗手につなぎ、旗手が右へ送ろうとしたボールがペナルティエリア中央へ転がると、これを古橋が冷静にゴール。チャンスを決めきれずにいた日本が待望の先制点を奪った。

後半開始時、日本はワントップの古橋に変えてFW上田綺世を投入。高さのある攻撃にも期待が持てる。そしてチュニジアもDFモハメド ドレーガーに変えて攻撃力のあるDFヤン ヴァレリーを投入してきた。
すると後半6分、その上田が果敢に動いて久保からボールをもらい相手ペナルティエリア内を攻めるも、DFモンタサル タルビに阻まれCK。ここ数試合、セットプレーでの得点がないだけになんとかしたいところだが、ここも決めきれない。

1点を追いつきたいチュニジアは伊東のイエローで後半10分にペナルティエリア左手前でFK。これをMFアイサ ライドゥニが直接狙うも、GK鈴木がパンチングでセーブ。さらに左サイドを攻め、ペナルティエリア左奥からクロスを上げるもゴールラインを割るなど、日本ディフェンスも堅い守りを見せる。

すると後半16分、久保がペナルティエリア手前で右から中央へ切り込みシュートを撃つが、相手DFに阻まれGKムエズ アセンがセーブ。さらに17分には菅原がペナルティエリアライン上からシュートを撃つも、ボールはわずかにゴールの外。ここでチュニジアはDFウサマ ハダディに変えてMFハムザ ラフィアを、FWイッサム ジェバリに代えてFWハイテム ジュイニを投入。日本もDF中山雄太に代えてDF町田浩樹を、MF旗手怜央に変えてFW浅野拓磨を投入。

すると24分、代わった浅野が久保へ繋ぎ、久保が左サイドをドリブルで突破。ペナルティエリア左からファーにクロスを入れると、飛び込んだ伊東が右足で強烈なゴール。伊東は第2次森保ジャパントップタイの4ゴール目となった。

その後、日本はゴールを挙げたMF伊東純也に代えてMF南野拓実を、DF板倉滉に代えてDF谷口彰悟を投入。試合前に森保監督が「とにかくチャレンジしてほしい」と言っていた通り、W杯予選に向けて「誰が出ても、誰が誰と組んでも強い日本」へ向けた形作り。28分には代わった南野からパスを受けた上田がゴールを狙うが、ボールはゴールポストへ。さらに後半37分にはこの試合で終始躍動していたMF久保建英に代えてDF橋岡大樹を投入。左サイドバックに入り、菅原が1列上がって左サイドハーフに入るチャレンジを見せる。そして後半45分には相手ペナルティエリア内での攻防から最後は南野がシュートを放つも、ボールは惜しくもゴール右外へ。

この試合まだ1本のシュートも打てていないチュニジアは、後半48分にペナルティエリア手前の絶好の場所でFK。だがクロスへ挙げたボールはゴールの外へ。さらに後半49分、ペナルティエリア中央に上がったクロスを頭で合わせ初シュートを放つも、ゴールポストに弾かれ試合終了。

日本はこの試合まで5連勝していたが、ここ4試合連続で失点を重ねておりこの試合はとにかく失点をしないことを心がけていた。その結果、チュニジアに僅か1本しかシュートを撃たせない最高の展開で勝利。森保監督が「今日は無失点で抑える守備をしながらも点を取る。賢くしたたかに勝っていこうという試合が実戦できました」と語るように、11月から始まるW杯アジア予選に向けて最高のチャレンジができた試合となった。

Profile

小池昌敏

1967年神奈川県生まれ。編集兼ライター歴30年以上のフリーで活躍するベテラン記者。スポーツはサッカーから野球、釣りまで何でも大好きだが、基本的に身体を使うのは苦手で観戦が専門。


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