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【国際親善試合】田中碧の2得点含む計4得点で日本がカナダに完勝!

2023年10月18日 |

MIZUHO BLUE DREAM MATCH 2023(国際親善試合)
日本代表(19位) 1-4 カナダ代表(44位) @デンカビッグスワンスタジアム(新潟)
2023/10/13 19:35(日本時間 9/10 3:45)キックオフ NHK
日本: 田中碧 2/オウンゴール 40/中村敬斗 42/田中碧 49
カナダ: ジュニオール ホイレット 89

森保監督率いる日本代表が2026年ワールドカップ開催国カナダに4−1で完勝! これで日本代表は6月からの国際試合5試合を全て4得点以上奪う得点力で5連勝。対カナダ代表とは約1年前の国際親善試合で2-1と破れていただけに、ワールドカップ2026アジア第2次予選や年明け開催のAFCアジアカップカタール2023に向けて良い形を作れている証となった。

日本代表はMF三苫薫が体調不良で不参加となったため、左サイドの高いポジションにMF中村敬斗を起用。スタメンはGK大迫敬介、左サイドバック中山雄太、センターバックに町田浩樹と冨安健洋、右サイドバック毎熊晟矢、ボランチに田中碧と遠藤航、左サイド中村敬斗、トップ下に南野拓実、右サイド伊東純也、ワントップに浅野拓磨を配し、9月のドイツ戦やトルコ戦と同じ4−2−3−1のフォーメーションを組んだ。

対するカナダ代表はホスト国としてワールドカップ2026の出場は決まっているが、来月行われるCONCACAFネーションズリーグに向けてぜひとも勝ちたい一戦。スタメン11人全員をワールドカップカタール2022に出場経験のあるメンバーで揃え、7月に行われたゴールドカップ準々決勝と同じ3−5−2のフォーメーションを組んできた。

試合は早々から日本がアグレッシブに攻め、相手ペナルティエリア内で連続攻撃。そして開始2分、ペナルティエリア手前でボールを持った田中碧が落ち着いてミドルシュートを放つと、GKミラン ボージャンの逆をついてゴール。先制点を奪う。

この日本の攻撃力に対し、カナダはウイングバックが下がり5−3−2の形に変えて守りを固める。こうなると日本のサイドバックがボールを持てる時間が増えるので、起点として相手を引きつけて攻めたいところ。ハイプレスでサイドから攻める日本は6分にも左サイド深くからのクロスを伊藤がペナルティエリア中央でシュートするが、これはキーパーの正面。

流れを変えたいカナダは10分辺りからアルフォンソ デイビスを中心に左サイドを攻め、11分にはFKからのセットプレーでサイル ラリンがヘディングシュートを放つがボールはクロスバーの上。さらにこの後もカナダは高い位置でプレスをかけてボールを奪う。ここで下がっていたウイングバックも上がり、本来の3−5−2のシステムでカナダがボールを持つ時間が長くなる。

そして前半19分、左サイドでアルフォンソ デイビスからジョナサン デイビッドにボールが渡り、デイビッドが縦パスを送るとデイビスが駆け込みGK大迫と交錯。すぐに笛はならなかったが、VARの結果カナダがPKを獲得。キッカーはデイビッドでゴール中央にシュートを放つと、左に飛んでいた大迫が残った右足でボールを弾くファインセーブ。その後もカナダが2度のCKを得るが、これも防ぎきる。

すると25分辺りから日本が攻める展開が増え、28分には南野がデレク コーネリアスに両足でスライディングされペナルティエリア手前でFK。キッカーは中村敬斗で直接ゴールを狙うが、ボールは惜しくもクロスバー上へ。さらに29分にはペナルティエリア手前で毎熊晟矢がシュートを撃つがゴールポスト右外。32分には田中碧がミドルシュートを撃つもキーパーの正面と、得点には至らずも日本が主導権を握る時間が続く。

そして前半40分。ペナルティエリア手前の田中から左サイドの浅野にパスが渡り、浅野がゴール前に低いクロス。飛び込んだ南野は合わせられなかったが、転がったボールが少し浮き上がりアルフォンソ デイビスの足からキーパーの顔に当たって痛恨のオウンゴール。

さらに42分にもカナダの最終ラインが繋ぐボールを浅野が奪ってカナダゴールへ疾走。カナダDFが戻る中、ペナルティエリア内で中村にボールを渡し、中村がDFをかわしてゴール右へシュート。これまで代表戦デビューから出場3試合で3得点を挙げていた中村が、4試合目でもゴールを決めた。

後半戦に入り、日本はセンターバックの冨安をDF谷口彰悟と交代。リードしているだけに、ドイツ戦の時と同じ3バック+2ワイドで最終ラインを5枚にする作戦だ。そしてカナダもセンターバックのコーネリアスをDFスティーブン ヴィトーリアにチェンジ。

すると開始早々、日本は右CKを得るも相手DFがブロックして今度は左CKへ。だがこの左CKもクロスに上がったボールを町田が頭で合わせるがキーパーがキャッチ。ここ最近、日本はセットプレーで得点ができておらず、この辺りに課題が残るところだろう。

だがその直後、カナダが大きく戻したボールを遠藤が奪い、中山から南野と繋いでペナルティエリア内へ。このボールを伊東が優しいタッチで中央へと送ると、そこへ走り込んだ田中がこの試合2点目のゴール。前半早々の得点と後半早々の得点、日本がどんなシステムで動いてくるか相手が迷っている隙をアグレッシブに攻める良い形での得点だ。

これで後半も日本が主導を掴み、5分と7分には田中がハットトリックを狙うシュートを放つ。どちらもゴールを捉えられなかったが存在感を示す。さらに日本は攻撃を続け、10分には中村が抜け出し相手エリアを疾走。するとこの中村にアリスター ジョンストンが危険なスライディングをかけてイエロー。中村が担架で運ばれ日本は10人でプレーすることになる。

このチャンスにカナダが攻める展開が続くが、日本は硬いディフェンスでカバー。そして後半16分、中村に変わってMF旗手怜央が入り、遠藤に変わってMF伊藤敦樹が入る。これに対しカナダもコネ、オソリオ、ピエットの中軸3枚をMFジュニオール ホイレット、MFマシュー ショワニエール、DFハリー ペイトンに交代。流れを変えにくる。

だがその後も代わった旗手の好プレーが頻発し、日本が攻める展開が続く。そして27分には田中に代わりMF川辺駿が入り、浅野に代わってFW古橋亨梧が入る。ワールドカップに向け、森保監督が幅広い戦略を試しに来ているのだろう。

流れを変えたいカナダは後半32分に日本サイドを攻めてシュートを放つがボールはクロスバーの上。さらにCKも日本がディフェンスして主導を渡さない。するとカナダは36分にサイル ラリンに代えてFWシャルル アンドレアス ブラインを、アリスター ジョンストンに代えてFWリアム ミラーをと、FW2枚を投入し得点を取りに来る。これに対して日本も南野に代えてDF橋岡大樹を投入。これに伴い伊東が左ウイング、旗手がトップ下と4−2−3−1のシステムに戻る。

その後も主導を渡さない日本に対しカウンターで攻めるカナダは、後半44分にジョナサン デイビッドがペナルティエリア左奥からゴール前へ低いクロス。このボールをGK大迫が弾くも、こぼれ球をジュニオール ホイレットがシュートして初得点。

この得点で勢いに乗るカナダだが、日本が苦しい展開を守りきって試合終了。6月からの5試合で計22得点、この試合でも4得点を挙げた日本が快勝となった。

個々の選手がやるべきことをやり、チャレンジを続けて5連勝となった日本代表。森保監督が「アグレッシブに入ることで早い点が取れたし、難しい時間帯でも我慢強く戦うことができた結果です。攻撃も守備も臆することなく戦ってチャレンジを続けたことで、次の課題も見えました」と語るように、2026ワールドカップに向けてより良い準備ができた試合となった。

Profile

小池昌敏

1967年神奈川県生まれ。編集兼ライター歴30年以上のフリーで活躍するベテラン記者。スポーツはサッカーから野球、釣りまで何でも大好きだが、基本的に身体を使うのは苦手で観戦が専門。


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