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【アジア競技大会】U22日本代表が北朝鮮を破り4強へ進出!

2023年10月4日 |

9月19日〜10月7日の日程でU22日本代表が中国・杭州で行われているアジア競技大会を戦っている。13年ぶりの金メダルを目指す日本代表は、グループDカタール戦を3−1、パレスチナ戦を1−0で連勝し、決勝トーナメントに進出。決勝トーナメント・ラウンド16でもミャンマー相手に7−0と大差で勝利してベスト8に進出した。

第19回アジア競技大会グループD(杭州)
U22日本代表3-1 U24カタール代表 @Xiaoshan Sports CENTRE Stadium
2023/9/20 19:30 キックオフ
日本代表:内谷田哲平 2/内野航太郎 25/山崎大地 88
カタール代表 79

第19回アジア競技大会グループD(杭州)
U24パレスチナ代表 0-1 U22日本代表 @Xiaoshan Sports CENTRE Stadium
2023/9/25 19:30 キックオフ
日本代表: 内谷田哲平 22

第19回アジア競技大会ラウンド16(杭州)
U22日本代表7-0 U24ミャンマー代表 @Xiaoshan Sports CENTRE Stadium
2023/9/28 19:30 キックオフ
日本代表:佐藤恵允 12/鮎川峻 26/佐藤恵允 27/鮎川峻 35/角昴志郎 42/内野航太郎 66/日野翔太 73

そこで今回は、ベスト8に進んだU22日本代表がU24朝鮮民主主義人民共和国代表(以下、北朝鮮代表)と戦い、見事ベスト4に勝ち進んだ準々決勝の試合をレポートしたい。

第19回アジア競技大会準々決勝(杭州)
U22日本代表 2-1 U24北朝鮮代表 @Xiaoshan Sports CENTRE Stadium
2023/10/1 19:30 日本時間2023/10/1 20:30 キックオフ
日本代表: 内野航太郎 51/松村優太 80
北朝鮮代表:キム ククボム74

直近のラウンド16を27日に行った北朝鮮代表と、28日に行った日本代表。日本代表はDF馬場晴也、MF松岡大起、MF佐藤恵允を残し、それ以外の8人を入れ替えたスタメンで挑んだ。対する北朝鮮代表は今大会すべて同じスタメンで挑んでおり、この試合も同じメンバーを並べてきた。

試合開始早々、日本はロングキックで相手エリアに切り込み、深い位置でのスローインから中央に戻したボールを吉田真那斗がロングシュート。ゴール上に外れるが積極的な姿勢を見せる。
対する北朝鮮も前に前に出る攻撃的なサッカー。早々にペナルティエリア左でフリーキックを得ると、キーパーがクリアしたボールやこぼれ球をシュートの連発で日本ゴールを脅かす。そして北朝鮮のペク チュンソンがゴール前に駆け込んだシュートを枠外に外すと、直後の5分にはペク チュンソンがボールクリア直後の選手にスライディングを行いイエロー。日本エリア内でのボールの奪い合いで選手同士が睨み合うなど、不穏な空気が流れ始める。

その後も北朝鮮は前へ前へとプレッシャーをかける攻撃的姿勢。それを日本がオフサイドで交わすなどディフェンス陣が堅い守りを見せる。そんな攻防が続くと、前半中盤あたりからは日本がボールを持つ時間が長くなり、24分にはサイドバックの奥田が相手ペナルティエリア左に上がって佐藤にボールを渡し、右足でシュート。惜しくもキーパーにセーブされるが、良い流れを作っていく。だが北朝鮮も34分には、ボールを保持する日本のパスミスをついて日本エリアを攻め、ペナルティエリア内右からカン ククチョルが左足でシュート。これを日本GK藤田が左手を伸ばしてビッグセーブ、一進一退の攻防で0−0のままハーフタイムを迎える。

試合が動いたのは後半6分。メンバー交代なしで後半戦に挑んだ日本はショートパスでボールをつなぎながら北朝鮮エリアでプレーを展開。そして中盤の馬場からペナルティエリア左の佐藤にロングパスが通ると、佐藤がゴール前に低めのボールを送り出し、そこへFW内野が走り込んでゴールへ押し込んで先制点。

先制点を取られた北朝鮮は日本ゴールを攻めようとするも、連戦同じスタメンの北朝鮮は疲れもあるのか前半戦のような勢いがなく、逆に日本がうまい攻めで相手ゴールを狙う。そして後半12分にはペナルティエリア前でフリーキックをもらうが、北朝鮮DFに頭でクリアされゴールならず。

後半戦に入り北朝鮮には荒いプレーが目立ちイエローが増える。さらに後半28分には、キム ユソンが日本の給水トレーナーを威嚇してプレー以外の行為でイエロー。だが直後の後半29分、左サイドから日本ゴール前に攻め込んだ北朝鮮は、ペナルティエリア左のキム ククジンからペナルティエリア前中央にいたキム ククボムにパスが通り、左足で強烈なシュート。GK藤田の手を弾きゴール上に決まって同点に追いついた。

同点に追いついた北朝鮮は、スタジアムのファンの声援も味方に流れを引き寄せ攻めるが、日本が守りきる。すると後半33分、北朝鮮ゴール前に攻め込んだ佐藤からペナルティエリア内の西川にボールが渡りフリーに。そして前に出てきた北朝鮮GKカン ジュヒョクと交錯してPK獲得。これを松村がゴール左に決めて日本代表が再び1点のリード。

残り時間も少なく、ロングボールで割り切った攻めを続ける北朝鮮に対し、日本は冷静にボールクリアとセーブで対処。そのまま北朝鮮を交わし、アディッショナルタイム5分も乗り切って試合終了。日本代表がベスト4へと勝ち進んだが、試合終了直後には北朝鮮選手が判定を不服として審判団に詰め寄るなど、後味の悪い形となった。

準決勝の相手はホンコン・チャイナ。原則23歳以下、オーバーエイジ3人までと決められたアジア競技大会において、21歳以下の若い選手で代表チームを組むことを決めている日本。2010年の第16回中国・広州大会以来の金メダル獲得を目指してほしいと願う。

Profile

小池昌敏

1967年神奈川県生まれ。編集兼ライター歴30年以上のフリーで活躍するベテラン記者。スポーツはサッカーから野球、釣りまで何でも大好きだが、基本的に身体を使うのは苦手で観戦が専門。


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