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「元気をつけないと!」送球人・東俊介の言葉(後篇)

2021年8月24日 |

「私が(現役時代)プレーしていた頃と比較して、最も変化した(環境)といえば、インターネット環境ですね。今の環境があれば、私ももう少しいい選手になれたのではないかなと(笑)」

ユニークな表現を散りばめた、東さんならではの解説。思わずクスッと笑ってしまうような、個性的な言い回しが、ユーザーや読み手をどんどんと引き込んでいく。

「(現役時代に)所属していた大崎電気の試合会場でOBとして解説を務めた際に評判がよかったことをきっかけに、日本ハンドボールリーグのプレーオフ、欧州チャンピオンズリーグFINAL4、リオ五輪などでテレビ解説を務めさせていただけるようになったのですが、最も大きな経験になったのはインターハイ中継で、実況と解説を一人で務めたことです。」

2021年夏、編集部から一通の質問状を送付し、敢行された紙面インタビュー「送球人・東俊介の言葉」。今回は、後編をお届けする。

元ハンドボール日本代表・東俊介氏

生涯貫くハンドボール愛、日の丸を背負った元アスリートとして、揺るぎない人格。そして、東京五輪という大舞台を経験した特別な夏の終わりでも「送球人・東俊介」の言葉は、変わらない。

およそ10年もの月日を振り返ると、スポーツとインターネットの共存は、スピード感さえ感じさせないほど当たり前の環境に変化している。

「SNSなどのツールを活用することにより、様々なコミュニケーションが取れるようになったのも、素晴らしいことだと思います。」

彼の言葉のように、まさに東京五輪の期間中、世界中のアスリートたちによるSNSは活性化していた。そして、その活性化の裏側で、SNSの存在は「賛否両論」をよんだ。

Photo by studio aupa

大会期間中も様々な議論が交わされたSNSだが、未だ結論は、出ていない。スポーツの大舞台において、主役は、もちろんアスリートである。しかしながら、そのアスリートたちがSNS特有の陰日向で心を痛めるような、悲しい現象も発生してしまう。

もはや、2021年のSNSとは、運用や活用法に高度な技術が要求される、もう一つの新しいメディアになっているのかもしれない。

メディアというものは、テレビやラジオなどの電波媒体と、新聞や雑誌などの紙媒体がある。そこに、近年は、Webという新勢力が加わり第三のメディアという位置づけで、多くのインターネット媒体が存在するのだ。

電波や紙などの媒体で、ながきにわたってメディアを支える年配の関係者からは、時々こんな声も聞こえてくる。

「インターネットという存在が未知数であることから、Webメディアは(メディアとして)未熟な部分が目立ち、運用面や制作面が粗製乱造である、という現実がある。」

なかなか耳の痛い言葉だが、しっかりと的を射ている。

例えば、とあるプロリーグは、テレビや新聞などの媒体のメディア取材は可能だが、インターネットメディアの記者は審査が必要になる。リーグ全体で、インターネットメディアの介入が制限されており、リーグとの共存は現状では難しい状態だ。しかしながら、このプロリーグの熱心なファンの90%近くが、インターネットを情報収集に用いている、という驚きのデータが存在する。

これは、由々しき問題であり、早急に議論されなければならない事実だ。とはいえ、インターネットメディア側にも様々な問題や課題を抱えているため、なかなか議論に及ばない現状がある。なんとも悩ましい、メディアとインターネットの関係性だ。

そんななか、ハンドボール界のスーパーマンこと東さんは、アスリートの目線で、かつ的確にインターネットとスポーツの未来に目を向ける。やっぱり、アスリートは凄い。

「私が現役の頃は、海外トップチームの映像を入手するのは、特別なルート以外考えられませんでしたから、とても羨ましい環境ですね。気軽に国内や海外トップチームの試合を観戦することが出来るようになり、世界規模で地域間での戦術や個人技術の格差が、縮小したと感じています。」

アグレッシブなプレーでチームを牽引した現役時代、コート内外で活躍し、様々な経験を血や肉に変え、ハンドボールの競技普及に務める毎日は並大抵の努力では務まらないはずだ。

独自の考えを持ち、インターネットの環境と向き合っていることも明かされた。それは、とにかく「ユーザー・ファースト」であり続けること。

 「(インターハイでの1人喋りの実況解説という)経験が基本的には、一人で実況&解説を務めるGayaRでの配信に大いに役立っています。また、GayaRでは2台の携帯電話を活用して出来るだけ頂いたコメントに触れていくよう意識しています。実況&解説者と視聴者みんなでガヤガヤ出来るのがGayaRの良さだと思うので。あとは、あんまり堅くも柔らかくもなりすぎないようには心がけていますね。出来ているのか微妙なところですが(笑)」

東京五輪で、日本のハンドボールは男女共に大健闘を成し遂げた。しかし、これは、リスタートの一つかもしれない。まだまだ成長し続ける伸び代のある競技の一つ、ハンドボール。東氏は、競技普及への想いもITに託してくれる。

「ハンドボールの魅力を伝えるためにも、今後も活用していきたいと考えています。今年1月に開催された男子世界選手権でも、彗星ジャパンの試合を中心にGayaRで実況と解説を実施しましたが、非常に多くの方々とともに試合を楽しむことが出来ました。」

東さんのまっすぐな言葉を聞くと、どれも背筋がピンと伸びるような気がしてしまう。「インターネット、もっともっと頑張れ!今こそインターネット、踏ん張れ!」そんな言葉にも錯覚してしまうほどだ。

実は、この誌面インタビューの中で、送球人・東俊介のパワーフード(験担ぎ)について、まるでグルメ雑誌のようなランキングデータと興味深い回答を編集部が頂戴している。しかも、キーワードは、「元気」だ。

「猛暑を乗り切るためには元気をつけないと!以下のお店は間違いないです!行くべし&食うべし!ランキングトップ5」

 5位  ラーメン(メルシー(早稲田)など)
4位  うなぎ(お㚙川(我孫子)など)
3位  焼肉(傳々(月島)など)
2位  寿司(金沢まいもん寿司など)
1位  カレー(ゴーゴーカレーなど)

全てのジャンルに、店名がついてあり、〜など、と書かれているあたりが東さんらしく、奥深い。

 「元気をつけないと!」

この言葉を胸に刻み、ユーザーとともにGayaRというアプリは進化し続け、「GayaR Magazine」も成長し続ける、元気なWebメディアでありたいと思えてくる。

暗澹とした夏だし、ひとつ。ランチは、パワーフードランキング1位のカレーでもガッツリ食べよう!

GayaR Familyの東俊介さんは、こんな風にいつも元気を運んでくれる存在だ。

スマホから声を聞くと、誰もがきっと元気になれる。東さんチョイスのハンドボールの大一番や、次の熱戦が今か今かと待ち遠しい。

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GayaR Magazine 編集部

リアルタイムスポーツ実況アプリ「GayaR(ガヤール)」の番組情報はもちろん、スポーツ&エンタメ、街の話題などを発信するWebメディア「GayaR Magazine 」。GayaR Magazine編集部には、編集者・記者・ライター、プロデューサー、エンジニア、デザイナーが在籍しています。彼らは、専門分野の枠を超え、メンバーそれぞれの個性を活用し、編成・編集・執筆に携わっています。


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