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「プロスポーツとメディア」福西崇史 ボランチゼミナール〜Additional Time vol.3

2021年7月1日 |

多くのプロスポーツ大会の試合後、選手達が通過する取材エリアの一つに「ミックスゾーン」と呼ばれる場所がある。この「ミックスゾーン」では「ぶら下がり」と言われるインタビュー収録や、雑誌・新聞記者などによる選手への囲み取材が行われる。

「色んな人がいますよね、ああゆう場所には。」

まさに、その通り。サッカー解説者の福西さんも、充分心得た場所だ。

「クレバー」

現役時代の蹴球人・福西崇史の印象を語るなら、この言葉が思い浮かんでしまう。

ミックスゾーンには、多くの取材カメラや記者に入り混じって、時にタレントや俳優、海外からのVIPなども通りががることがある。

当時のジュビロ磐田の23番・福西崇史選手の周りには、いつも黒山の人だかりができていて、試合の勝敗に関わらず大人気の存在だった。中には、目を輝かせながら、なんとペンやノートも持たずに、まるでアイドルを至近距離で見るようなそぶりで、選手に近づく記者さえ存在したのだ。

試合の注目度が高ければ高いほど、沢山の人が無数に存在する空間で、クレバーな蹴球人・福西崇史の振る舞いは、存分に発揮された。どのクラブでも、代表でも、顔色ひとつ変えず、一定のメディアを丁寧に対応していた印象が残る。

「(当時)サッカーの話を聞きたい人(記者)には、サッカーの話を。そうじゃなさそうな人(サッカー以外の話を取材する記者)には、別の話をしてました。」

マニアックな目線でおこがましいが、これは興味深いエピソードの一つだ。プロって、やっぱり凄い。

試合後のミックスゾーンで感情むき出しにする選手がいても、ジュビロの23番は違った。どんなに悔しそうな負け試合でも、自身のプレーだけを冷静に振り返り、颯爽とバスへ乗り込む。ジュビロが圧勝したカードでは、さらりと戦術を明かしてくれ、その神対応は記者たちを虜にした。

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