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【女子ワールドカップ】覇権奪回へなでしこ始動!

2023年7月26日 |

FIFA 女子ワールドカップ
オーストラリア&ニュージーランド大会 2023 グループC 第1節
ザンビア(77位) 0-5 日本(11位) @ ワイカト・スタジアム, ハミルトン
2023/07/22 19:00キックオフ(日本時間7/22 16:00) NHK BS1
日本:宮澤ひなた 43(藤野あおば),62(田中美南),田中美南 55(遠藤純),遠藤純 71(長谷川唯),植木理子 90+11(pen.)

12年ぶりの覇権奪回へ向けてなでしこは5発圧勝の好スタートを切った。シュート数は26対0。裏のスペースと左右のワイドを使って何度も決定機を作り、守ってはフィジカルとスピードで上回るザンビアにまったくチャンスを作らせなかった。

先制ゴールは43分、長谷川から右サイドの藤野へ繋いでのアーリークロス。ゴール前に飛び込んだ宮澤が合わせてゴールを奪った。ザンビアのGKムソンダの好セーブ連発、ポスト直撃、VARによるゴール取り消しとあと一歩届かなかったゴールをようやくこじ開けた。

0-1となでしこリードで始まった後半も圧倒的に日本がポゼッションで上回り攻め込む展開が続く。55分、長谷川から左サイドの遠藤へスルーパスを通して遠藤がクロス、後ろから飛び込んだ田中美南が決めて追加点を奪った。21分のゴールはオフサイドポジションにいた田中美南がプレーに関与したとしてオフサイド、49分のゴールは遠藤のアーリークロスへの田中美南の飛び出しがオフサイドとして取り消されており、田中美南としては文字通り三度目の正直でうれしいワールドカップ初ゴールとなった。

62分、右サイドでスローインのボールを受けた田中美南がゴールライン上からのクロスを宮澤が押し込んで3ゴール目。“三笘の1㎜”の再現のようなプレーだったが、VARが介入した結果、インプレーでゴールが認められた。72分、長谷川のパスを右サイドで受けた遠藤がカットインしてのシュートでGKムソンダの逆を突いて4点目を決めた。

ザンビアは4点リードされても集中力を切らさなかった。73分、右サイド清水のクロスを藤野がどんぴしゃりで合わせるがGKムソンダの正面。78分、GKムソンダがこぼしたボールを植木が無人のゴールへ流し込むが懸命に戻ってきたテンボがクリア。エリア内でなでしこにプレッシャーをかけ続けて、ゴールを割らせなかった。

しかし、アディショナルタイムに入った97分に抜け出した植木をエリア内で倒したGKムソンダにイエローカード、この日2枚目のイエローでレッドカードとなりザンビアはひとり少なくなった。この日当たっていたGKムソンダを失ったザンビアはGKサカラを投入する。植木が蹴ったPKはクロスバーに弾かれたものの、またまたVARが介入し、植木が蹴る前にGKサカラがゴールラインを離れたとしてPKやり直し。植木がきっちり沈めてゴール。ザンビアのキックオフ直後にタイムアップとなった。

VARで田中美南のゴールがふたつオフサイドで取り消し。藤野がGKムソンダに倒されて得たPKがオフサイドで取り消し。植木のPKもGKの動きがチェックされてやり直しと日本の攻撃的なシーンでのプレーばかりだったが、裏返せばなでしこが圧倒的に攻めていた証拠。ザンビアのプレスを苦にせず大量得点で勝ち点3を手にしたことで、次節以降落ち着いて戦えるはずだ。

Profile

今里浩紀

1968年愛媛県生まれ。JFA公認C級コーチ。1982年ワールドカップスペイン大会と「キャプテン翼」でサッカーの面白さに目覚める。出版社で編集者として活動、現在はフリー。


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