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【ベガルタ仙台】中3日での連戦に挑むが惜しくもドロー! 今後の奮起に期待

2023年4月19日 |

明治安田生命J2リーグ 第9節
清水 1-1 仙台 @ IAIスタジアム日本平
2023年4月12日 19:03 Kickoff
清水:白崎 45(吉田)
仙台:郷家 78(内田)

第8節アウェイの甲府戦で快勝した仙台は、中3日でアウェイの清水戦、ホームで岡山戦と順位表ボトム11で苦しんでいるクラブとの連戦となる。長崎戦から4-4-2とシステム変更して戦い方が安定し、サイドでのコンビネーションから縦へ抜けるなど、ビルドアップもバリエーションが出てきた。連勝すればプレイオフ圏内が見えてくるだけに、昇格候補のライバルを叩いておきたいところだ。

清水は開幕7試合勝ち星なしの成績不振からゼ・リカルド監督を解任、秋葉監督となって2試合目。前節は東京Vに逆転勝ちで今季初勝利を挙げており、ホーム2連戦で連勝を狙っている。GK権田、MF乾とワールドカップ経験メンバーが中心で、同じく連勝を狙う仙台にとって簡単な相手ではない。

キックオフ直後は、清水も仙台もサイドのスペースを狙って裏の取り合い。仙台は鎌田が高い位置でボールを動かし、中島と山田が絶妙のコンビネーションでボックス内へ侵入してチャンスを作る。開幕時に比べると選手の動きが増えてパスコースが多くなっており、わくわくするシーンが増えてきた。しかし、23分。左サイドボックス角付近から清水のFKを乾が直接蹴ってポストに嫌われると、32分には乾がボレーで叩きつけたボールがバウンドしてクロスバーを超える決定機を作られる。さらに45分には右サイドでボールを奪うと左サイドへ展開。吉田が正確なスルーパスをボックス内に通し、白崎が完璧なターンでゴール右に流し込んで先制した。一方の仙台は、38分に中島が抜け出してのミドルがあったがGK権田のファインセーブもあって決めきれなかった。

後半に入っても、清水は乾がボールに絡んで仙台ゴールを何度も脅かす。1点ビハインドの仙台は、CBの若狭を削って3バックとし、フォギーニョを投入して右サイドを強化、エヴェルトン、鎌田、郷家で中盤を固めた。そして、清水が絶好調だった乾をベンチに下げると、一気に仙台が息を吹き返し始めた。
78分、左サイドで白崎から内田がボールを奪って左サイドを突破。ボックス内で山田が引っ張って作ったスペースへのクロスを郷家が技ありのシュートで同点ゴールを決めた。郷家は第4節いわき戦で決定機を決められなかった悔しさを見事に活かして今季3ゴールと成長しており、いなくてはならない選手になりつつある。

仙台はさらに攻めて逆転を狙ったが決めきれずドローに終わった。

明治安田生命J2リーグ 第10節
仙台 1-1 岡山 @ ユアテックスタジアム仙台
2023年4月16日 14:03 Kickoff
仙台:中島 11
岡山:佐野 48

第10節の岡山戦。岡山は直近5試合で4分1敗と勝ち星なし。4試合連続ドローと昨シーン3位の勢いが影を潜めている。仙台もホーム3連敗中で、調子を上げていくためには勝ち点3がどうしてもほしい。伊藤監督は4-4-2で右サイドに蜂須賀を入れて臨んだ。

序盤からハイプレスをかけた仙台は11分に岡山のバックパスのミスを見逃さず、中島がGK堀田の股間を抜くシュートで先制する。バウンドして浮いたパスの処理にもたついたところに、一気に詰めてチャンスをものにしてリードを奪った。岡山は仙台のプレスに苦しみ、ビルドアップもままならず仙台ペースが続く。仙台は攻勢が続き、何度も決定機を作るが追加点を奪えず。力が入っているのか、タイミングが合わないのか、シュートを打つもボールが枠をとらえられないシーンが目立った。決めるべきところで決めることは今シーズンだけではなく、来シーズン以降へも繋がる課題だろう。2点、3点決めるチームはやはり上へあがっていく。

岡山はハーフタイムで見事に立て直してきた。後半開始早々の48分、右サイドを木村が突破してのクロス。ニアで櫻川が潰れてファーに流れたボールをフリーで受けた佐野が、落ち着いてシュートを決めて同点。仙台のクリアミスを木村が拾ってゴールに結びつけた。

仙台は選手交代で、氣田、フォギーニョを投入して勝ち点3を目指してプレーするが、ゴールが遠いままこの試合もドローでタイムアップ。ホームでまたも勝てず、勝ち点13で13位と昇格争いから大きく水をあけられている。今後の奮起に期待したいところだ。

Profile

今里浩紀

1968年愛媛県生まれ。JFA公認C級コーチ。1982年ワールドカップスペイン大会と「キャプテン翼」でサッカーの面白さに目覚める。出版社で編集者として活動、現在はフリー。


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