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キリンチャレンジカップ 日本vsコロンビア レビュー

2023年4月5日 |

キリンチャレンジカップ 2023 日本代表(20位) 1-2コロンビア代表(17位) @ ヨドコウ桜スタジアム 2023/3/28(火) 19:20 Kickoff 日本テレビ系列
日本:三笘 3(守田)
コロンビア:ドゥラン 33(マチャド),ボレ 61

ウルグアイ戦から、瀬古、遠藤、堂安、浅野の4人が外れ、バングーナガンデ、西村、伊東、町野がスタメンで出場。コロンビアは韓国戦前にキンテーロが負傷離脱、日本戦前にハメス・ロドリゲスが負傷離脱と主力ふたりが抜けてのゲームとなった。

開始早々3分、日本が先制する。右サイド菅原のロングフィードを町野が収め、西村とのコンビネーションから守田へ落としてのアーリークロスを、ファーで三笘が高い打点でネットを揺らした。ウルグアイ戦ではぎこちなかった連係だが、菅原から町野、西村のラインから守田へとスイッチしてのクロスで完全にコロンビアを崩すことに成功した。その後は両サイドの伊東、三笘にボールを出すが、伊東の突破には中央を固め、三笘には人数をかけてプレッシャーをかけて日本に自由にさせない。日本もコロンビアの攻撃を粘り強く跳ね返していたが、33分同点に追いつかれる。板倉のヘディングをアリアスが引っかけて、左サイドのマチャドへ出すとポケットをえぐってのクロスをデュランに決められた。マチャドは板倉の追走、カバーに入った菅原のプレスを受けながら、ボレが引っ張って作ったデュランが走り込むスペースが見えていた。すべてのスペースを埋めるのは不可能だが、どうすれば失点を防げたか、検証する必要がある。板倉のクリアを引っかけられてのカウンターを不運だったで済ませないことこそ、一段高いところへ行ける糧になるはずだ。

後半、バングーナガンデが負傷して最終ラインに変更があった直後の61分、コロンビアは右サイド自陣からウリベが前線へのフィード。デュランが瀬古に潰されてこぼれたボールをアリアスが切り返して板倉を外してシュート。GKシュミット・ダニエルがセーブして浮いたボールをボレがバイシクルで押し込んで逆転する。ロングフィードを競ったデュランをアリアスがフォローしており、ボレもいいところにポジションしていた。日本の先制ゴールで町野、西村のフォローに守田が入ってのクロスを上げたシーンと同じ、コロンビアの分厚い攻撃だった。サッカーでゴールを奪うために当たり前のことをする。日本が北米でもっと上に行くには忘れてはならないことだ。

コロンビアの逆転ゴールが決まる時間帯10分で上田は3回の決定機を決められなかった。悔しくて悔しくて眠れない夜だったはずだ。58分、左サイドの伊東からポケットで受けたパス。66分、左サイドの守田からのクロス。68分、左サイドの伊東からCK。上田は決定機3回をことごとくGKバルガスに止められた。日本代表のためにも上田のためにも1ゴールは奪うべきだった。チャンスを活かせなければ勝ちを拾うのは難しくなる。コロンビアはうまく日本の攻撃をいなして決定機を作らせることなく試合を終わらせた。

上田はワールドカップカタール大会では、コスタリカ戦前半だけの出場で結果を出せなかった。コロンビア戦でゴールを決めて、FWとしてアピールしたかったはずだ。ポストプレーも、前線でのキープも、高い打点もすごかった。しかし、上田に求められているのはゴール。三笘がクロアチア戦の悔しさからブライトンで活躍してエースとなって代表に戻ってきたように、上田ももっとゴールに貪欲になって6月の代表戦でもっと活躍してほしい。

Profile

今里浩紀

1968年愛媛県生まれ。JFA公認C級コーチ。1982年ワールドカップスペイン大会と「キャプテン翼」でサッカーの面白さに目覚める。出版社で編集者として活動、現在はフリー。


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