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【ベガルタ仙台】激闘を制しベガルタ仙台が今季初勝利

2023年3月1日 |

明治安田生命J2リーグ 第2節
ベガルタ仙台 1-0 栃木SC @ ユアテックスタジアム仙台
2023年2月26日 13:05 Kickoff
仙台:山田寛人 90

仙台のホーム開幕戦。スタジアム来場可能上限の100パーセントで全席声出し応援可能となり、選手入場時に仙台サポーターが歌う「カントリーロード」も躍動感がある。対する栃木は対戦成績5戦全勝で今シーズン初勝利を飾りたい。

前節町田戦からひとり変更、氣田を郷家に入れ替えた3-3-2-2の仙台と、前節熊本戦とまったく同じ11人、3-4-2-1で臨んだ栃木。どちらも縦への長いパスを使い、前線に当てて前を向いて攻める守備に重心を置いたゲーム。栃木は根本のポストプレーからセカンドボールを拾ってボックス内へ飛び込むシーンが目立った。

3分、根本の落としを大森がシュート、14分にはCKのこぼれ球を高萩がミドルと立て続けに決定的なシュートを放つ。仙台は最前線の中山、ホ・ヨンジュンをターゲットにしてロングボールを蹴ったり、ワイドに散らして最終ラインを動かしたり、工夫してゴールをこじ開けようとしたが、栃木は中央を固めて跳ね返し仙台にチャンスを作らせなかった。

ハーフタイム、マンチェスター・ユナイテッドがホームとするオールド・トラッフォードと同じバージョンで「カントリーロード(現地ではユナイテッド・ロードだが)」が流れて、Jリーグもいつものサッカーシーンに戻ってきた実感が湧いた。サッカーファンは、歌ったり踊ったり笑ったり泣いたり、スタジアムのエモーショナルな経験が大好きだ。あとは仙台が勝ち点3を稼ぐだけ。

後半に入って、仙台は栃木のプレッシャーに慣れてきたのか、エヴェルトンから前線へのパスが収まるようになってきた。セカンドボールへの出足もよくなり、仙台がバイタルエリアでFKを獲得する場面も多くなった。ボックス内で決定的なシーンこそ作れていないが、仙台がポゼッションして栃木を押し込んでいく。そして、89分。歓喜の先制ゴールが生まれた。中盤のエヴェルトンから山田へ縦パス。山田からボールを受けた中山が左サイドへ流れてクロス。ニアで遠藤が潰れてのこぼれを山田が右足で決めた。仙台の今季初ゴールは美しいパスワークからネットを揺らした。

アディショナルタイムは3分。栃木は前線に宮崎、岡崎とターゲットを2枚にして攻め続けたが、仙台は全員が下がって跳ね返して今季初勝利を挙げた。終了のホイッスルが鳴った瞬間に仙台の選手が崩れ落ちるほどの激闘だった。

第3節はアウェイの徳島戦。徳島はトランジションが速くよく走るチームで、前線のコンビネーションも精度が高い。後半になって戦術を変更する柔軟性もある。厳しい相手だが、仙台も初勝利を挙げてコンディションが上がってきている。連勝を狙いたい。

Profile

今里浩紀

1968年愛媛県生まれ。JFA公認C級コーチ。1982年ワールドカップスペイン大会と「キャプテン翼」でサッカーの面白さに目覚める。出版社で編集者として活動、現在はフリー。


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