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【ベガルタ仙台】第1節アウェイは守り抜いたドロー! ホーム開幕戦でするべきことは!?

2023年2月22日 |

明治安田生命J2リーグ 第1節
FC町田ゼルビア 0-0 ベガルタ仙台 @ 町田GIONスタジアム
2023年2月19日 14:03 Kickoff

2年ぶりのJ1復帰を狙う仙台は、13人in15人outと大きくチーム編成を変えて開幕戦を迎えた。リーグワースト5位の59失点を喫した守備陣には、元日本代表GK林彰洋が加入。最後尾からコーチングを取り入れた組織的な守備練習をトレーニングキャンプで重点的に行った。リーグ2位の67ゴールを挙げた攻撃陣は、中山仁斗、中島元彦が残留、運動量豊富な元韓国代表FWホ・ヨンジュンを獲得。基準点となる中山と動き回るホ・ヨンジュンとの補完性は高く、中島、氣田とのラインも強力なチャンスメーカーとなりうる。

ベガルタ仙台 移籍情報 IN
ベガルタ仙台 移籍情報 OUT

一方の町田は、青森山田を率いて数多のタイトルを手にした黒田剛監督がJ2へステージアップして初めての公式戦。こちらも大型補強で仙台を迎え撃った。

仙台は縦パスをすばやくつないで前線のスペースへ飛び込むチャンスをうかがうが、町田のハイプレスに効果的なパスを出すことができない。25分に氣田が持ち上がって左サイドの中島へ出してのシュートが唯一の決定機だったくらいで、守備に意識を取られたのかポジティブトランジションの出足がなく、町田に押し込まれる展開が続く。29分にはイーブンなボールへの出足が遅れ、エリキに左サイドを突破されて決定的なシュートを撃たれると、39分には左サイドのデュークのクロスがこぼれてエリキがシュート。42分には右サイドニアゾーンで受けたデュークのミドルと立て続けに決定的な場面を作られた。

後半、仙台は49分、氣田のスルーパスからホ・ヨンジュンが決定的なシュートを放つなど、セカンドボールを拾って何度も作り直す攻撃的なサッカーに修正してきた。前半町田のハイプレスに苦しんでいたが、後半序盤はビルドアップのパスがつながり前線の動きも出てきた。67分、ホ・ヨンジュンに代えて遠藤、中山に代えて山田の交代で、遠藤が中盤に下りることでパスコースが多くできるようになった。

しかし、81分。町田は左サイドからスローインのボールをデュークが中央に残すと高橋がシュート。こぼれ球に平河が飛び込んでシュートと決定機を作って流れを取り戻すと、仙台は防戦一方となった。仙台は最後まで体を張った守りで町田をクリーンシートに抑えてゴールレスドロー、勝ち点1を分け合うスタートとなった。

町田が決定機を決めきれないツキもあったが、守備の意識は高く、押し込まれる展開が続いても集中力を切らさなかった。80分に氣田と交代した鎌田大夢は、日本代表の鎌田大地の弟で10分ほどのプレーでうまくパスコースを作ったり、前線の山田へラストパスを出したり、ゴールにつながるプレーをしていた。

ホーム開幕戦となる第2節栃木戦は、お互いに激しくトランジションを繰り返す攻守の入替えが激しいサッカーになると予想できる。栃木は両サイドからの速い攻めを徹底してやってくるため、ウイングバックが押し込まれて5バックにならないこと、ボールを奪うポイントを設定すること、縦への速い攻めで決定機を決め切ることで優位にゲームを進めたい。栃木はセットプレーに多くのバリエーションがあるため、マークをしっかり確認しておきたいところだ。

Profile

今里浩紀

1968年愛媛県生まれ。JFA公認C級コーチ。1982年ワールドカップスペイン大会と「キャプテン翼」でサッカーの面白さに目覚める。出版社で編集者として活動、現在はフリー。


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