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AFCチャンピオンズリーグのルール変更

2023年2月1日 |

 AFCチャンピオンズリーグ2022(以下ACL2022)で、浦和レッズが決勝進出を決めたのは2022年8月25日。あれから約6か月、西アジアのノックアウトステージ開催は2023年2月3日からで、決勝の相手は決まっていない。元々のスケジュールでは2022年10月29日に予定されていた決勝は、新型コロナワクチン感染症の影響やワールドカップ2022カタール大会もあって二度の変更となり、シーズンが年をまたぐ2023年4月29日、5月6日とホーム&アウェイで行われることになった。
また、モロッコで2月に行われるFIFAクラブワールドカップのアジア代表に決勝が間に合わないため、2021シーズンチャンピオンのアル・ヒラル(サウジアラビア)の出場が決まっている。

 2022年2月25日、アジアサッカー連盟(以下AFC)は実行委員会を開いて2点について正式に決定した。

1:2023年のACLから年をまたぐ秋春制2023-24にすること(Jリーグは春秋制)。
2:外国人枠を5+1枠(外国国籍5人とアジア枠のひとり)とすること。

さらに8月1日、以下の2点が追加された。

3:アウェイゴール・ルール(ホーム&アウェイの2試合を行い、合計のスコアが同点だった場合アウェイのゴールを2倍にするルール)の廃止。
4:決勝をホーム&アウェイの2試合制にすること。

AFCは秋春制への移行について、「世界主要リーグとシーズンを合わせることで、アジアのトップクラブが質の高い選手や監督と契約する機会を得ること、各クラブと各国代表の試合スケジュールをバランスよく振り分けられる」としている。

 2022年12月23日、AFCは将来の構想として以下の2点が決定した。

1:2024-25シーズンから、現在のAFCチャンピオンズリーグ、AFCカップの2階層で行われているクラブが戦うアジアの大会を3階層に分ける。


1部(現在AFCチャンピオンズリーグ)
出場クラブは東アジア12、西アジア12の合計24。東西12クラブずつのグループとして、グループ内で各クラブが異なる8クラブとホーム4試合、アウェイ4試合のスイス式トーナメントを行い、上位8クラブ東西合計16クラブがラウンド16へ進出する。ラウンド16はホーム&アウェイ2試合、以降の準々決勝、準決勝、決勝は集中開催の1試合ずつ3連戦で優勝を決める。

2部(現在AFCカップ)
出場クラブは32。4クラブずつ8つのグループとし、ホーム&アウェイのリーグ戦を行い、2位以上がラウンド16へ進出。ラウンド16、準々決勝、準決勝はホーム&アウェイで勝ち上がりを決め、決勝は1試合となる。

3部
出場クラブは20。4クラブずつ5つのグループとし、集中開催でグループ内1試合ずつのリーグ戦を行い、上位8クラブが準々決勝へ進出。準々決勝、準決勝はホーム&アウェイ、決勝は1試合となる。

2:2024-25シーズンから外国人枠が撤廃され、外国人の出場制限が完全撤廃される。

*スイス式トーナメントは、すべての参加者が決められた一定数のゲームを行うが、総当たり戦ではなく、全試合終了後一番多く勝ち点を挙げた者が勝者となる。1895年スイスのチューリッヒで行われた囲碁の大会でこの方式が使われたことからスイス式トーナメントと呼ばれている。

各国リーグにおける出場枠はこれから検討して決めるという。現行ルールにおいて、Jリーグは1位、2位、天皇杯優勝クラブが本戦から、3位がプレイオフから出場となっている。2部、3部の大会ができることで、4位、5位のクラブが出場できるのか、天皇杯、ルヴァンカップの覇者が2部の大会に回るのか、アジアの大会が大きく変わるのは間違いない。

Profile

今里浩紀

1968年愛媛県生まれ。JFA公認C級コーチ。1982年ワールドカップスペイン大会と「キャプテン翼」でサッカーの面白さに目覚める。出版社で編集者として活動、現在はフリー。


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