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2022ワールドカップカタール日本代表メンバー26人について考えること

2022年11月9日 |

GK
川島永嗣(ストラスブール/39歳)
権田修一(清水エスパルス/33歳)
シュミット・ダニエル(シント=トロイデン/30歳)
DF
長友佑都(FC東京/36歳)
吉田麻也(シャルケ/34歳)
酒井宏樹(浦和レッズ/32歳)
谷口彰悟(川崎フロンターレ/31歳)
山根視来(川崎フロンターレ/28歳)
板倉 滉(ボルシアMG/25歳)
中山雄太(ハダースフィールド・タウン/25歳) 怪我のため不参加
冨安健洋(アーセナル/23歳)
伊藤洋輝(シュツットガルト/23歳)
MF
柴崎 岳(レガネス/30歳)
遠藤 航(シュツットガルト/29歳)
守田英正(スポルティング/27歳)
鎌田大地(フランクフルト/26歳)
相馬勇紀(名古屋グランパス/25歳)
三笘 薫(ブライトン/25歳)
堂安 律(フライブルク/24歳)
田中 碧(デュッセルドルフ/24歳)
久保建英(レアル・ソシエダ/21歳)
FW
伊東純也(スタッド・ランス/29歳)
浅野拓磨(ボーフム/27歳)
南野拓実(ASモナコ/27歳)
前田大然(セルティック/25歳)
上田綺世(セルクル・ブルージュ/24歳)
町野修斗(湘南ベルマーレ/23歳) 中山雄太に代わって招集

ワールドカップカタール大会に臨む日本代表メンバー26人が11月1日に発表された。

招集メンバーから、森保監督はサイドアタックから勝機を見出そうとしていると推測する。右サイドの伊東は攻撃のスイッチを入れ、フィニッシュにも絡む日本のエース、9ゴール8アシストと結果を残している。酒井とも山根とも連係に問題はない。スピードで圧倒する伊東に対して、堂安はテクニカルなドリブルでボックス内へ侵入する。フィジカルが強くスキルが高く戦術眼も高い。久保も同じくテクニカルなプレーで狭いスペースもいとわない。キックの精度も高くボックス内でボールを持つと強烈なシュートもある。

左サイドは三笘が5ゴール、相馬が3ゴールと、本大会直前に強烈にアピールして強みに変えた。三笘と相馬のドリブル突破はタイプが違うため、タッチライン際からカットインしてハーフスペースに斬り込んでいくとビッグチャンスになる。シュートでもクロスでも逆サイドにこぼれれば伊東が詰めている。右サイドでも左サイドでも鎌田がボールに近い位置にポジションを取ってフォローする動きをするため、簡単にボールを失うことなく攻撃を仕掛けられるはずだ。

守備に関しては中盤でコンビを組む遠藤と守田はお互いにバランスを取り合い、最終ラインは吉田、谷口、冨安、板倉は何度も組んでいる。連係面での熟練度はかなり高く、安定していると言えるのではないか。伊藤と冨安はサイドのポジションでもプレーでき、現時点で考えられるベストの最終ラインだろう。

日本代表 メンバー

メンバー発表の翌日、中山雄太が右アキレス腱の故障で代表を辞退し、代役として町野修斗が選出された。町野はアジリティが高く、ドリブルで抜け出すことも、裏に抜けることもできる決定力が高いFW。物怖じせずに本大会で戦ってほしい。

中山のほかにも怪我人が多いのは心配だ。板倉は左足内側側副じん帯の損傷、浅野は右膝内側側副じん帯の損傷と本戦に間に合うかどうかぎりぎりの状態にある。ふたりともクラブの練習に合流しているが試合勘のなさは克服できるだろうか。冨安が筋肉系の故障で途中交代、守田は左足ふくらはぎの違和感、久保は左肩の負傷で途中交代、田中も負傷による交代と、さらに離脱者が出ることも考えられる。
カタール大会では、ドイツ、コスタリカ、スペインと同組と、かなり厳しいグループに入った。決勝トーナメントに進むためには、ドイツかスペインという優勝経験国を追い落とす必要がある。攻撃はサイドアタックを磨き上げた。セルティックで活躍している古橋よりも浅野が裏を取る動きのほうが効果的で、板倉の守備力の高さはドイツ、スペインの攻撃をとめられるという判断だったとしたら。森保監督は本大会で目標とするベスト8へ勝負師として大きな賭けに出たのかもしれないね。

Profile

今里浩紀

1968年愛媛県生まれ。JFA公認C級コーチ。1982年ワールドカップスペイン大会と「キャプテン翼」でサッカーの面白さに目覚める。出版社で編集者として活動、現在はフリー。


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