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「ハンドボールにわかファン、のぞむところです!」送球人・東俊介の言葉(前篇)

2021年7月21日 |

「私にとって、ハンドボールは人生を変えてくれたスポーツです。」

送球人・東俊介からの真っ直ぐな言葉が、東京五輪を前に心に響く。コロナ禍で、暗澹とした毎日を過ごすなか、どこかでスポーツの力を信じている。筆者の背中をポン、と押してくれたような錯覚に陥った。

「史上初の無観客開催となったオリンピックですが、ネガティブな面に目を向けるのではなく、ポジティブに世界最高峰のアスリートのパフォーマンスを堪能し、応援したいと考えています。」

元ハンドボール日本代表・東俊介氏

東京五輪開催の数日前となる7月某日、編集部から一通の質問状をお願いした。この質問状には、東氏による1825文字(原稿用紙およそ5枚分)が貴重な回答として綴られていた。「送球人・東俊介の言葉」と題した紙面インタビューは、前編・後編に分け、GayaR Magazine内で配信していく。

ハンドボール愛、そして、日の丸を背負った元アスリートとしての揺るぎない人格、そしてもちろん、東京五輪への想いを余すところなく紹介していきたい。

ご存知の方も多いと思いつつも、改めて日本ハンドボール界における東さんについて、GayaR Familyとして編集部からの想いを届けるのなら。

東俊介氏は現在、実業家として活躍しながら、解説者やクリニック講師としても活動中。ハンドボールの競技普及はもちろん、スポーツ界全体における貢献度も含め、日本のハンドボール界においては、スーパーマン的な存在だと言える。スーパーマン、これは大袈裟な表現ではなく、それ程に東さんは凄い。驚くべきことに、ハンドボールとの出逢いは中学生時代。地元・金沢市で頭角を現してからの数十年、ハンドボールと常に向き合う人生を送っている。

アグレッシブなプレーでチームを牽引した現役時代、コート内外で活躍し、様々な経験を血や肉に変え、ハンドボールの競技普及に務める毎日は並大抵の努力では務まらないはずだ。

「中学校一年生の時にハンドボールと出逢っていなければ、故郷である石川県金沢市から出ること無く人生を終えていたように感じます。」

好きな言葉は“道険笑歩”

「どんなに険しい道も笑いながら歩んでいけるような人になりたいと思っています。辛い時や苦しい時にこそ、笑顔で前を向き、周囲を思いやる行動が出来るように。」

そんな東さんだからこそ、東京五輪を前に暗澹とした世の中に「応援」というキーワードで、新たな提案をくれたのかもしれない。彗星JAPAN(男子)・おりひめJAPAN(女子)と称される、ハンドボール日本代表。男女ともに、メダルの期待がかかる競技の一つだ。しかしながら、ハンドボールという競技がメディアなどで脚光を浴びることは、まだまだ少ないと感じてしまう。筆者が抱える、このワクワク感とモヤモヤ感の交錯は、ラグビーW杯直前と酷似している。ラグビーにわかファン・ブームの力は、一気に日本のラグビーを変えた。

そんな東さんに、五輪前にどうしても意見を聞いておきたいクエスチョン、編集部からストレートに投げかけてみた。

「ラグビーW杯の時のように、日本中がハンドボールの「にわかファン」になってもいいですか?」

「のぞむところです!」

ハンドボール界のスーパーマン・東さんから、なんとお墨付きを貰ってしまった。にわかファンだけでなく、日本中がハンドボールに熱狂できるように、編集部からこっそりと五輪初戦について予習・解説してもらった。まずは五輪・初戦の男子日本代表。初戦から強豪・デンマークと、いきなり21時過ぎのナイトゲームで対戦。ズバリ「送球人・東俊介によるデンマーク対策」とは?

「1988年のソウル大会以来の出場となる男子日本代表・彗星ジャパン。初戦は、前回リオ大会王者で、今年1月に開催された世界選手権でも連覇を達成した世界最強国・デンマーク。攻撃面ではミケル・ハンセン、守備面ではGKの二クラス・ランディンというともに世界No.1プレーヤーの呼び声高い選手を中心に全く穴のない布陣で、対策の立てようがないのが正直なところ。これまでに積み重ねてきた全てを世界最強チームに思い切りぶつける試合になると思いますので、最後まで立ち向かう姿を見せてほしいです。」

対策の立てようがない?!まさかの東さん情報。ミケル・ハンセン、ニクラス・ランディン、この2人をマークしつつも、日本らしいハンドボールをすることが重要なのだとか。むむ、難しい!!けれど、応援スタイルは、至ってシンプル。強豪を倒せ!ガンバレ、ニッポン!!

男子日本代表に続いては、女子日本代表。19日に行われた事前強化試合では課題も多く、緊張感あるなかでも迎える初戦。女子のゲームは、男子の初陣からおよそ12時間後となる朝9時。相手は、強豪・オランダ。「送球人・東俊介によるオランダ対策」、教えてもらった。

「女子日本代表・おりひめJAPANの初戦の相手は、平均176cmの高さを活かした攻撃力を武器に2019年に熊本で開催された世界選手権を制したオランダ代表。男子と同じく世界王者との対戦になりますが、世界選手権でMVPを獲得したボルマンが負傷欠場となるなど、つけいるスキはありそう。初戦でジャイアント・キリングを達成して、1976年モントリオール大会以来の大舞台でメダルに絡むような活躍を期待したいです。」

サッカーで言えば、ジャイアントキリング。大番狂わせを巻き起こし、世界中に日本が警戒される存在になる為にも、大事な初戦。これは、見逃せない一戦だ。

 「様々な人と出会い、人生を切り拓く力をくれたハンドボールとこれまでお世話になった方々に少しでも恩返し出来るように、もっと成長していきます。」

送球人・東俊介のハンドボール人生に休みなど無い。東京五輪のコートで、東選手のプレーが観られないことは残念で堪らない。しかし、コートの外から、彼ならば一緒に戦ってくれるはずだ。

現役時代は、日本代表で主将を務めあげた送球人・東俊介。日の丸を背負う11番は今も変わらずハンドボールと向き合う人生をおくっている。

応援という言葉を借りて、私たち日本人は、日の丸を背負ったアスリートたちを後押しながら、一緒に戦う。その応援と戦い方は、GayaR Familyの東さんが、きっと優しく丁寧に教えてくれる。にわかファンでも、心強い!

「私は、ハンドボールを全く知らない人にも楽しんでもらえるような実況解説を心がけていますので、にわかファンは、是非!GayaR(ガヤール)へ!」

なんと、GayaR(ガヤール)の宣伝まで代行してくれた東さん。東さんの言葉の通り、リアルタイムスポーツ実況アプリ「GayaR(ガヤール)」では、ハンドボール日本代表の試合を数試合ピックアップし、音声ライブ配信を敢行する。配信情報など詳しくは、GayaR(ガヤール)公式Twitterをチェックしてほしい。

「送球人・東俊介の言葉」後篇では、日本ハンドボール界の今と東俊介氏のお茶目なエピソードをクローズアップし、五輪期間中に配信予定だ。日本代表の躍進を願い、編集部で絶賛構成中の「送球人・東俊介の言葉(後篇)」も乞うご期待。

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GayaR Magazine 編集部

リアルタイムスポーツ実況アプリ「GayaR(ガヤール)」の番組情報はもちろん、スポーツ&エンタメ、街の話題などを発信するWebメディア「GayaR Magazine 」。GayaR Magazine編集部には、編集者・記者・ライター、プロデューサー、エンジニア、デザイナーが在籍しています。彼らは、専門分野の枠を超え、メンバーそれぞれの個性を活用し、編成・編集・執筆に携わっています。


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